笹野分校は、かつて鹿児島県伊佐市にあった、牛尾小学校の分校です。

久七トンネルの開通で、分校跡は国道になっています。
久七峠

久七(きゅうしち)峠は、かつて薩摩藩と人吉藩の国境で幾多の攻防があった峠です。

車社会となってからも、幅の狭い曲がりくねった道が延々と続いていました。

冬は積雪や凍結し、雨が降ると倒木や崩落で通れなくなっていました。

交通量が増加するのは、2004年(平成16年)の久七トンネル開通後です。

峠の区間に5.6㎞のトンネルを掘り、トンネルまでの区間も改良されています。

時間短縮以上に、安全に峠を越えられるようになり、大きな効果を生んでいます。

笹野集落

笹野集落は、旧大口市から久七峠へ向かうと、鹿児島県側の最後の集落です。

国道267号線沿線なのですが、以前は水之手川に沿って曲がりくねっていました。

久七トンネル工事に合わせて、広く直線的な道に改良されています。

笹野分校跡地は、改良後の国道267号線となっています。
学校遺構

学校跡があったのは国道上で、両側の土手の高さの場所です。

山の神さんがまつられている丘が、笹野分校の校庭の西端です。

祠の横に、分校跡の石碑が移築されています。

笹野分校があったことを感じ取れる、金網状のフェンスが残っています。

秋になると、プチ紅葉スポットとして立ち寄る方もいらっしゃいます。

しかし、国道はスピードが乗る地点なので、気づく人は少ないです。

知る人しか知らない、マイナースポットです。

あとは、旧国道側に昔からの分校の石垣が残っていました。

沿革
1980年(昭和55年) | 閉校 |
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