佐多分校は、かつて鹿児島県肝属郡南大隅町にあった、鹿児島県立南大隅高等学校の分校です。
2002年(平成14年)に閉校となるまでは、九州最南端の高校でした。
大隅高校
鹿児島県立大隅高等学校は、1954年に鹿児島県立根占高等学校と大根占町立大根占高等学校が統合して開校しています。
南大隅というのは、当時の根占町、佐田町、大根占町、田代町の4町村のことです。
全日制の男女共学校です。
1学年2クラス(定員80名)の小規模校となります。
現在は商業科のみが設置されています。
九州本土最南端の高校
前身は 1926年(大正 14年)設立した、鹿児島県小根占実科高等女学校です。
かつては、田代町に田代分校、佐田町に佐多分校を置いていました。
田代分校は 1987年(昭和62年)に廃止となっています。
佐多分校は、2002年(平成14年)に廃止されました。
本校である南大隅高等学校に本土最南端の座を譲っています。
ちなみに、佐多分校の入口の交差点は、南大隅町伊座敷交差点です。
伊座敷交差点の信号機が、本土最南端の信号機となります。
沿革
1948年(昭和23年) | 鹿児島県根占高等学校佐多分校開設 |
1950年(昭和25年) | 鹿児島県佐多高等学校として独立 |
1961年(昭和36年) | 鹿児島県佐多商業高等学校へ改称 |
1969年(昭和44年) | 県立移管 鹿児島県立南大隅高等学校佐多分校へ改称 |
1992年(平成4年) | 学校再編に伴い商業科募集停止 情報処理科 募集 |
2002年(平成14年) | 閉校 |
1950年(昭和25年)から1969年(昭和44年)までは独立した高校でした。
そのため、校歌は佐多分校独自のものです。
佐田旧薬園
佐田分校があるのは、佐田旧薬園のそばになります。
佐田旧薬園というのは、藩政時代に島津氏が置いた薬草を育てていた場所です。
向学と藩財政を支えるのが目的でした。
佐田薬園は、大隅国でも最南端の地であり、琉球経由で輸入した南方系の植物が植えられました。
明治初頭に廃止されましたが、現在も藩政時代のまま残されています。
当時植えられた植物もそのまま残されていて、史跡に指定されました。
薬園の主な樹木
アカテツ
アカテツは南西諸島や沖縄で見られます。
九州本土で見ることはあまりありません。
オオバゴムノキ
オオバゴムノキは、オーストラリア東部原産のゴムの木です。
これまた九州本土で育つような木ではありません。
リュウガン
リュウガンはインドが原産です。
果実は滋養強壮に効くため、重宝されます。
レイシ
レイシは、古代から中国で珍重された植物です。
レイシの実がライチであり、商業栽培したものがスーパーなどで売られています。
駐車場
佐多分校の前に佐多旧薬園の駐車場があります。
トイレもあります。
佐多の町を散策するのにも便利です。
あと19㎞南へ行けば、佐多岬です。
場所 鹿児島県肝属郡佐田町(現在の南大隅町) 伊座敷 3651
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