谷川内(たにかわうち)ダムは、鹿児島県曽於市財部町にある農業かんがい専用ダムです。
鹿児島県最長の広域農道「そお街道」を通って行くことになります。
曽於北部農業水利事業
曽於北部地区の農地をかんがいするプロジェクトです。
揚水機場4カ所、ファームポンド4カ所、67.9 kmに及ぶ用水路を含みます。
その中心が、谷川内ダムです。
畑地かんがいを目的としています。
雨の降る時期に水をため、雨が降らなくなるとダムから畑に送水します。
受益地では、作物を多様化したり収量を増やしたりすることができます。
瀬之川から補水
谷川内ダムは、大淀川水系谷川内川にあるダムです。
同じ大淀川水系の瀬之口川にある、粟谷(あわたに)頭首工から取水し、大良(おおら)導水路で補水します。
頭首工というのは、農業用水を取水するための堰のことです。
ダム本体
重力式コンクリートダムです。
自然越流式のダムで、非常用放水ゲートはありません。
満水になるとダム中央部の洪水吐から自然に水が流れ出します。
訪れた日は、満水には遠く及ばず、越流をみることはできませんでした。
ダムの左岸部に中核施設が集中しています。
しかし、通常時は左岸部に一般の方は入れないようになっています。
下流部から堤体を見るポイントにも近づけません。
右岸部は自由に見学できるようになっています。
ただし、堤頂部に入ることはできません。
ケーブルクレーン設置跡
右岸側の堤体上流にある、コンクリートの構造物は、ケーブルクレーンの基礎です。
ダム建設中は、対岸とダムをまたぐようにケーブルを渡してありました。
そこにバケットを吊り下げ、コンクリートを運んでいました。
ケーブルクレーンの基礎は、工事が完了した後もそのまま残してあります。
谷川内ダム調整池
堤体近くは、ダム湖には入ることはできません。
それはダム湖の中間部も同じです。
流れ込み部には、入る道がありますが、ロープが設置されています。
基本的にダム湖への立ち入りはできず、釣りをするのはムリなようです。
よくみかける、外来魚放流禁止の看板が設置されていないのは、ダム湖へ入ることができない前提なのかもしれません。
諸元
名称 | 谷川内ダム |
場所 | 鹿児島県曽於市財部町北俣板越 |
水系 | 大淀川 |
河川 | 谷川内川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 九州農政局 |
施行者 | 佐藤工業 |
ダム湖 | - |
目的 | かんがい用水 |
最高出力 (発電) | - |
堤高 | 58.5m |
堤頂長 | 222.0m |
堤体積 | 176千㎥ |
流域面積 | 14.1㎢ |
湛水面積 | 12ha |
総貯水容量 | 2,170千㎥ |
有効貯水容量 | 1,920千㎥ |
着手/竣工 | 1984/2012 |
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