東郷町の諏訪神社は、鹿児島県薩摩川内市にある神社です。
愛称は御諏訪殿 (おすわどん)。 斧淵地区にあるため、斧淵の諏訪神社とよばれたりします。
東郷氏
相模国から下向した渋谷一族は、5人兄弟であり、東郷・祁答院・鶴田・入来院・高城に分かれて地域を統治しています。
東郷を領した渋谷実重は、東郷氏を名乗るようになりました。
1392年に、東郷氏第9代重明が諏訪神社を勧請し、以後、代々の氏神としています。
並立鳥居
諏訪神社は、薩摩国でいう南方神社と同神です。
長野県の諏訪大社には、上宮と下宮があります。
薩摩国の南方神社(諏訪神社)では、社殿はひとつでも2社があると考え、鳥居が2つ並べて立てられています。
東郷町の諏訪神社では、向かって右が上ノ宮、 左が下ノ宮です。
ご祭神
上ノ宮
- 建御名方命(たけみなかたのみこと)
- 八坂刀買命 (やさかとめのみこと)
下ノ宮
- 事代主命(ことしろぬしのみこと)
建御名方命と事代主命は、国を支配していた、大国主命(おおくにぬすのみこと)の御子です。
大国主命は、天照大神(あまてらすおおみかみ) へ国を譲っています。
国譲りのさい、断固として反対したのが建御名方命でした。
樋渡川の処刑場
東郷町の諏訪神社の前には、樋渡川(ひわたしがわ)が流れています。
樋渡川には、島津家の処刑場があったという伝承があります。
鳥居は、神域の出入り口なのですが、聖域を封印する役割を果たします。
実は、並立鳥居だと、神域を封印する機能が弱まるという説があります。
樋渡川の処刑場で斬首された者の怨霊が、境内に出入りしているというのです。
- 首のない鎧武者
- 宙を舞う生首
目撃されるのは、処刑場に関わる霊といわています。
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