鶴御崎(つるみさき)は、大分県佐伯市にある、九州最東端の岬です。
1980年代までは陸の孤島で、船で行くしかありませんでしたが、現在は車で行くことができます。
九州最東端
九州最東端の地へ行くには、佐伯市街から30㎞ほど東へ進みます。
目印は鶴御埼灯台です。
灯台から断崖沿いの道を歩き、急な階段を降りるので、豪雨や強風の日は出直した方がよいでしょう。
天気の良い日に行くと、四国まで見通せる九州最東端ならではの大パノラマが広がります。
鶴御埼灯台
鶴御埼灯台は、その名の通り鶴御崎にある灯台です。
しかし、どういうわけか「崎」の字が「埼」で表記されます。
1981(昭和56年)に完成した灯台です。
鶴御崎のある鶴見半島は、リアス式海岸のため海岸は断崖が続きます。
鶴御崎灯台も、海抜150mの高さに建てられています。
大分県道604号梶寄浦佐伯線が開通したのは、1982年(昭和57年)です。
鶴御崎燈台開設道路は県道開通に先駆け、1980年(昭和55年)に開通しています。
物資は下梶寄(しもかじよせ)港で陸揚げしたのでしょう。
現在は佐伯市道となっています。
陸の孤島
鶴見半島は、九州本土とつながってはいますが、県道が開通する昭和50年代までは、陸の孤島でした。
そのため、離島と同様の扱いをされていました。
鶴御崎の観光開発も、1980年代後半のバブル最盛期にはじまっています。
その痕跡が沿道に残っています。
鶴御崎ミュージアムパークも、2006年(平成18年)までは有料でした。
監視哨跡
鶴御崎は、太平洋から、鎮守府のある呉軍港に通じる、豊後水道の南側の入口です。
1894年(明治27年)に日清戦争に先駆け、外国船の監視を行うための望楼塔(ぼうろうとう)が置かれました。
正式には、鶴御崎海軍望楼塔といいますが、地元の人は監視哨(かんししょう)とよんでいます。
当初は海軍施設だったのですが、第一次世界大戦後は、陸軍管理に変わっています。
第二次世界大戦がはじまると砲台が置かれ、監視所一帯には陸軍施設が建てられました。
鶴御崎はそもそも軍事拠点であり、観光のため行くような場所ではありませんでした。
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