上園(うえんそん)観音は、相良三十三観音霊場17番札所です。
古くは「荻原観音」とよばれていました。
今では「うえんそん観音」のよびかたが定着しています。
イチョウの老木と墓碑
うえんそん観音というと、発音は「Wenson」と西洋的な名まえに聞こえます。
上園の球磨弁的な発音が「うえんそん」であり、思いっきりネイティブな名称です。
現存するのは、1929年(昭和4年)に建て替えられたお堂です。
お堂の右側はアルミサッシの戸がついて、集会所みたいになっています。
一斉開帳の時は、地元の方がここで接待をされています。
正面にはイチョウの老木があり、墓碑も立っています。
昔からここが霊場であったことを物語っています。
ご本尊
ご本尊は聖観音菩薩坐像です。
お堂にはご本尊のほかに、
- 木造地蔵菩薩立像
- 木造毘沙門天立像
- 木造弘法大師坐像
- 石造毘沙門天坐像
が安置されています。
ご本尊は1823年に彩色補修がされています。
しかし、それ以前の由来は解明されていません。
子どもを病気から守ってくれる観音さまで知られています。
さらに、古くから牛馬のお守りとして信仰されてきました。
聖観音菩薩坐像は相良村指定の民俗文化財です。
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