廻り観音は、相良三十三観音霊場の18番札所です。
お堂は、廻り馬頭観音堂ともよばれています。
絶景ポイント
廻り観音堂へ行くには、人吉から国道445号線を五木方面へ北上します。
国道とは川辺川を挟んで対岸側となります。
最寄りの観音橋で対岸へ渡ります。
三十三観音霊場の中でも絶景ポイントとされているのは、川辺川の眺めです。
川辺川の急流と岩場を望む場所に、観音堂が建てられています。
1997年(平成9年)に改築してあり、お堂の前に改築記念碑が立っています。
お堂の周辺には、中世のお墓である五輪塔の残欠がみつかっています。
この地が、かつて、お寺だったことを物語っています。
しかし残念なことに、その中世お寺の歴史はわかっていません。
ご本尊
廻り馬頭観音ともいわれているため、以前は馬頭観音だったといわれています。
現在のご本尊は、聖観音立像となります。
この観音さまも古く、1823年に修復したときの銘があります。
一緒に安置してあるのは、木造の阿弥如来像と、石造の釈迦の涅槃像です。
古くから安産、ほくろ、牛馬の守護にご利益があることで知られています。
河童の墓
この廻り観音のすぐ近くに河童の墓というスポットがあります。
相良村にはカッパにまつわる伝説が語り継がれ、川辺川にはカッパが住んでいるといわれています。
相良村のゆるキャラは「サガラッパ」といってカッパがモデルです。
毎年、夏に開催される「サガラッパ祭り」は相良村の一大イベントです。
廻り河童伝説
廻り観音堂あたりの地区で、代々伝わってきた伝説があります。
廻り観音堂そばの、川辺川の分流に、藤の瀬というところがあります。
藤の瀬には「サカマ」とよんでいる深い渕がありました。
ある夏の暑い日に、近所の村山さんという方が、馬に水浴びをさせようと「サカマ」へ行きました。
村山さんは、馬を木につないで家に帰りました。
すると、河童が馬を渕に引きずり込もうとして、馬のしっぽに喰い下がりました。
馬は驚いて手綱を引きちぎり、そのまま馬小屋へ駆け戻ってきました。
主人は河童をとらえ、柱にくくりつけておきました。
女中さんがそれを見つけ、かわいそうにと思い、こっそり縄を解いて河童を逃がしてあげました。
それから、村山家の炊事場には「アユ」や「イダ」などの川魚が、毎晩届けられるようになりました。
それは、永い間続いていましたが、ある晩からぷっつりと途絶えてしまいました。
たぶん、河童も年老いて亡くなったのであろうと推測できました。
そこで、この場所に河童の墓を建て霊を慰めました。
場所 熊本県球磨郡相良村川辺
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