牛根麓稲荷神社は、鹿児島県垂水市にある神社です。
桜島の大正噴火により埋没した鳥居が現在も残っています。
黒神だけではない牛根麓埋没鳥居
埋没鳥居といえば、桜島島内にある腹五社神社の黒神埋没鳥居が有名です。
しかし、桜島島外にある牛根麓稲荷神社の埋没鳥居も忘れてはなりません。
1914年(大正3年)の大噴火の際には、大隅半島にも大きな被害が及んでいます。
離島であった桜島が大隅半島と陸続きになったのも、この大正大噴火によるものです。
牛根麓地区では1mを超える降石・降灰が堆積しました。
地中に埋まった牛根麓稲荷神
牛根麓稲荷神社は、1574年(天正2年)に創建しています。
島津義久公が関わっていて、島津氏の氏神である稲荷神社をまつったといわれています。
大正噴火により、牛根麓稲荷神社は、木造の社殿やご神体の掛け軸などを失っています。
しかし石造鳥居は地中に埋まりはしましたが、残っていました。
現在見えている部分は、埋没していたものを、1.45mほど掘り出したものです。
ご利益
埋没鳥居を見ると、笠木の中央部分が上下にずれているのがわかります。
これは、大正大噴火時の地震によるものです。
埋没鳥居は不安定なように見えますが、100年以上この状態でバランスを保っています。
鳥居は「落ちない」ことから、受験にご利益があるとされています。
また、ピッタリくっついて「離れない」ことから、恋愛成就や夫婦和合にご利益があるとされます。
牛根麓埋没鳥居 稲荷神社展望公園
牛根麓稲荷神社までの参道は、展望公園として整備されています。
黒神埋没鳥居と違うのは、海方向の展望が開けていることです。
手水は境内にはなく、駐車場の隣にあります。
参道の入口から坂道を少しだけ登って参拝します。
途中にある展望公園からは、桜島と錦江湾や牛根大橋をながめることができます。
境内
牛根麓神社は、大正噴火により建物をすべて失っています。
現在はシンプルな祠になっています。
鳥居以外にも石造建造物は、掘り出されて現存します。
石灯篭は、1794年(寛政6年)に奉納されたものです。
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