遙拝(ようはい)八の字広場というのは、熊本県八代市にある河川敷の広場です。

八代市民がランニングや散歩する姿を見るほか、キャンプ用のテントが張ってあるのを目にします。
無料キャンプ場

遙拝八の字広場は、球磨川の河川敷にあり、誰でも利用できます。

イベントで占有利用する場合は有料で、八代市に許可を得る必要があります。

しかし、占有されていないスペースで、個人でキャンプをする場合は、申請や許可は必要ありません。

予約不要で24時間、自由に出入りできます。

公式にキャンプ場としてアナウンスされてはいませんが、多くの人はキャンプ場として利用しています。

駐車スペースは100台分以上あり、トイレの横に水場が用意されています。

ちなみに頭上の橋は、九州自動車道と肥薩おれんじ鉄道です。

河川敷なのに芝サイト

遙拝八の字広場は、九州南部豪雨後となる、2022年(令和4年)にオープンしています。

区画は、芝生広場A・芝生広場B・砂利広場Cと、大きく3区画に分かれます。

当然ながら芝生広場は直火厳禁、焚火台を使う場合も芝生を焼かないようにしましょう。

砂利広場は、ペグがささりにくいのですが、直火禁止ではないのが魅力です。

ただし、灰捨て場やゴミ箱はないので、ゴミは持ち帰りになります。

おまけに、トイレがとても遠くなります。

また、砂利広場では花火ができるも魅力ですが、打ち上げ花火は禁止です。

遥拝堰

球磨川の灌漑用水利用がはじまったのは、中世にさかのぼります。

平安後期〜中世につくられた、杭瀬という取水施設が遥拝堰の前身です。

水路を含む用水施設の総鎮守として、南岸の高田山の麓に賀茂宮を勧請したのが、現在の遥拝神社です。

征西将軍懐良親王が、八代高田御所御在館の折、常に神社から吉野の南朝宮を遥拝されていたため、遥拝と称するようになりました。

八の字堰

江戸時代初めになると、肥後藩主・加藤清正公が八の字の堰をつくっています。

川の中央から下流へ八の字形に自然石を組むことで、川の流れを両側に分けて急流を和らげるしくみです。

八の字堰は、現在のコンクリート製の遥拝堰完成後、撤去されていましたが、2019年(令和元年)に、4年がかりで復元されています。

遙拝八の字広場から球磨川をながめると、まさに自然石の八の字堰が見えます。

遥拝頭首工

遥拝八の字堰は、1948年(昭和23年)に農林省(現在の農林水産省)直轄の国有資産となっています。

現在の遥拝堰は、1969年(昭和44年)に完成したものです。

正式には、遥拝頭首工といいます。


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