指宿港近くの廃温泉というのは、名前の通り鹿児島県指宿市の廃温泉施設です。
廃温泉となって久しく、マニアの間では指宿市の見学スポットとして定着しています。
指宿温泉
指宿は古くは、高温の温泉や噴気孔がある湿原が広がり、危険な場所とされていました。
それでも、温泉は浴用や調理用に利用されていました。
観光地として開発されたのは、高度経済成長期になります。
1960年代から70年代には、指宿は「東洋のハワイ」の異名でよばれました。
ハネムーンブームの折には、 多くの新婚夫婦が訪れています。
現在も年間280万人が訪れ、鹿児島県有数の観光地の地位は揺らいでいません。
温泉の面影を残す遺構
指宿港近くの廃温泉があるのは、砂むし温泉で知られる摺ヶ浜(すりがはま)温泉の北端です。
摺ヶ浜温泉を含む、指宿にある温泉を総称して指宿温泉とよんでいます。
現在の規格から見ると、前時代的な小規模温泉施設です。
現役当時の情報に乏しく、開業閉業ともに時期は不明です。
ただし、2005年(平成17年)には、廃墟として知られていました。
建物の構造は、コンクリート造平屋建てであり、現在でも骨格はしっかりしています。
ただし、窓や扉はなくなり、オープンな状態になっています。
さらに、内部に使われた木造は崩落しています。
また、浴槽が残っていて、温泉だったことが計り知れます。
かなり朽ち果てながらも、温泉だったころの面影が残る遺構です。
関連記事
【関連記事】イッシー王国 湖畔にたたずみ草木と一体化する観光施設跡
【関連記事】竹山レストハウス スヌーピー山山麓にたたずむ地中海風建物の遺構
【関連記事】遺構めぐりが楽しくなる本 いまそこにある建物の目的と背景