吾平鵜戸神社は、鹿児島県鹿屋市にある神社です。
鵜戸神社は、鵜芽草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)の陵墓となる、吾平山上陵(あいらのやまのえのみささぎ)のある吾平町に鎮座しています。
吾平町
吾平町は「あいらちょう」と読みます。
しかし県中央部の姶良市や姶良郡と発音が同じ、「あいら」なので、混同しやすい地名です。
元をただせば始良が本来の地名で、大隅半島の鹿屋市一帯を指していました。
ところが、混同しやすいので、本家の方が吾平という漢字を当てたのが実情のようです。
非公式ですが、県民は姶良と吾平を区別する場合は「ごへい」とよんでいます。
そういえば、旧吾平町のゆるキャラは「うがやくん」でした。
経緯
日本書紀には吾平に、鵜芽草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)を葬ったとの記述があります。
鵜戸山上に陵墓があったため、尊をまっつたのが鵜戸神社のはじまりです。
名称は、鵜戸山ひいては、吾平山上陵の岩窟「鵜戸窟」に由来するものです。
713 年以前には大隅国は建国されておらず、大隅半島は日向国の一部でした。
そうした意味では、祭神は完全に一致しないものの、宮崎県の鵜戸神宮の流れをくむ神社といえます。
島津氏の配下となってからも、歴代領主に大事に扱われています。
現在の社地へ移ったのは 1871年(明治4年)です。
災害により八幡神社の社地へ仮遷座したのですが、のちに八幡神社が別の場所へ移っています。
境内には古い石塔群が並びます。
「野町観音」です。
「正安の五輪塔」は、鎌倉時代の有力豪族の墓であり、大隅半島では最古のものといわれています。
ご祭神・ご利益
6柱をまつります。
- 鵜芽草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)
- 玉依姫命(たまよりびめのみこと)
- 彦五瀬命(ひこいつせのみこと)
- 稲飯命(いないのみこと)
- 三毛入野命(みけいりののみこと)
- 神日本磐余彦尊(かみやまといはれびこのすめらのみこと)
かつては「鵜戸六所権現」や「六所大権現」と称していました。
主祭神の鵜芽草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)は、初代天皇の父神で農業神として知られます。
ご祭神 6 柱には様々なご利益がありますが、特に延命長寿や子宝安産が重複するご利益です。
さらの縁結び・夫婦和合が有名なご利益です。
護国殿
鵜戸神社の境内には、護国殿が建てられています。
吾平町出身の戦没者、455柱をまつります。
護国殿建設にともなって、招魂碑も吾平小学校北公園から移築されています。
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