阿蘇山スキー場というのは、かつて熊本県阿蘇市(旧阿蘇町)にあったスキー場です。
昭和時代からあった、九州初の人工スキー場でした。
九州初のスキー場
1968年(昭和43年)、阿蘇山スキー場は九州初の人工スキー場としてオープンしています。
当初は、旧阿蘇町による公営スキー場でした。
1972年(昭和47年)の札幌オリンピックなどもあり、’70年代に日本のスキー人口は増加しています。
さらに、1985年(昭和60年)ごろからのスキーブームに乗り、盛況を呈しました。
近県のスキー場
スキーブームとバブル景気に乗り、雪の少ない九州でもスキー場開発が行われます。
1989年(平成元年) | 天山スキー場 | 佐賀県 |
1990年 (平成2年) | 五ヶ瀬ハイランドスキー場 | 宮崎県 |
1996年(平成8年) | くじゅう森林公園スキー場 | 大分県 |
阿蘇山スキー場では慢性的な雪不足に加え、近県のスキー場との競合がはじまります。
ちなみに、阿蘇山スキー場以外の3つのスキー場は、現在も営業しています。
そして撤退へ
町も耐え切れず、1992年 (平成4年)から、民間企業に経営を託しています。
スキーブームもバブル景気も去った雪不足のスキー場に人は戻らず、2002年(平成14年)に民間企業も撤退します。
2003年 (平成15年)には閉鎖を決め、2011年 (平成23年)までに施設は撤去されました。
駐車場を除いて元の草原に返すという方針で、現在はその痕跡は何もありません。
かろうじてゲレンデだった斜面が確認でき、駐車場は観光用ヘリコプターの発着場となっています。
阿蘇山スキー場 – FORBIDDEN KYUSHUより引用
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