鮎帰発電所跡 現存する明治の産業近代化遺構

鮎帰(あゆがえり)発電所は、十条製紙坂本工場の発電所でした。

坂本工場が操業を停止する1988年(昭和63年)まで、現役の発電所として稼働していました。

鮎帰発電所の歴史

なんと、その竣工は1909年(明治42年)までさかのぼります。

坂本工場の操業開始が1898年(明治31年)です。

1903年(明治36年)に、九州製紙が事業を引き継いで間もなく、着工されたものです。

同じく、坂本工場の深水発電所の竣工が、1921年(大正10年)ですので、鮎帰発電所はその12年前に造られたものとなります。

なんと、建設当初水車や発電機は、建設当初のものが、坂本工場の操業停止まで、使われ続けていたといいます。

たぶん、建物の中にはまだその機材が残っていると思われます。

建物の外観

木造建築の発電所です。

たぶん、建物も建設当初のものでしょう。

近くに行けば、近所の住居と明らかに風貌がちがいます。

すぐそれとわかると思います。

しかし。100年以上前のものです、定期的に改修はされてきたのだと思います。

操業停止後の所有者は十条製紙となっています。

深水発電所と同様に、鮎帰発電所もきちんとメンテナンス、管理されているため、現存しているのだと思います。

発電所裏の斜面に、チラッと見えるのは水圧管?でしょうか?

道の駅さかもとにあった写真です。

裏山にサイフォン(導水管)が見えます。

場所 熊本県八代市坂本町鮎帰は949

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