稚児の滝(ちごのたき)は、鹿児島県南さつま市にある滝です。
山間にありますが南薩縦貫道沿線で行きやすく、夏には多くの人が訪れます。
川遊びスポット
稚児の滝は、鹿児島県道19号鹿児島川辺線の沿線にあります。
県道19号線は、南薩縦貫道として整備された高規格道路です。
鹿児島市中心部から車で1時間はかからず、とても訪れやすい滝です。
川遊びスポットとして人気で、夏の間は多くの人が訪れます。
スペック
幅 | 20m |
高さ | 5m |
河川名 | 万ノ瀬川水系岩屋川 |
錫山自然遊歩道沿いのスポットで、錫山鉱山のはずれの長谷集落の観光名所です。
ちなみに、「稚児」というのは、寺院に住み込む剃髪しない少年修行僧を指します。
岩屋川のコイは、 長谷集落で放流したものなので、釣らないようにしましょう。
渓流のクレソンは、 長谷集落で栽培しているものなので、採らないようにしましょぅ。
稚児の滝伝説
むかし、 岩屋川のはずれに小さな山寺がありました。
山寺には和尚と小僧それに稚児の3人が住んでいました。
稚児は早くに母を失い、 10歳の時父もなくなったため、山寺に預けられていました。
稚児はとても頭がよく正直だったため、 和尚は我が子のように可愛がりました。
ところが、小僧は稚児が可愛がられるのが面白くありません。
小僧は、和尚が飼っている白い鶏を可愛がり、卵を産むのを楽しみにしていることに目をつけます。
小僧は鶏が産んだ卵を、 盗み続けました。
しばらくすると小僧は、稚児が卵を盗んでいると和尚に告げ口します。
怒った和尚は稚児をよび、 厳しく叱りつけました。
そのうち、「稚児はどろぼう」 という噂が村人の間にも広まります。
ある日稚児は、死んで身の潔白を示そうと決意します。
白い鶏を抱き 「本当はお前が一番知っているだろう。すまぬが一緒に死んでくれ」
と夜に寺を抜け出し滝へ向かいました。
そして、前夜からの雨で増水した滝つぼへ身を投げました。
翌日、稚児が行方不明となり村中が大騒ぎとなります。
稚児をさがしていると、滝壺のそばに倒れている白いにわとりがみつかります。
にわとりに近づくと、 死んでいると思ったにわとりが突然起き上がり、 立神山目指して飛んでいきました。
村人たちが滝つぼを調べたところ、 稚児によく似た石像が沈んでいました。
それ以来この滝は「稚児の滝」 とよばれるようになりました。
そして滝つぼの渕は「鳥ヶ渕」とよんでいます。
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