知林ヶ島というのは、鹿児島県指宿市の沖合にある無人島です。
島には条件付きで現れる「ちりりんロード」で、歩いて渡ることができます。
砂州
砂州というのは、流水によって砂などが堆積してできた地形のことをいいます。
そのうち、島と島がつながったものを、陸繋砂州(りくけいさす)またはトンボロとよんでいます。
知林ヶ島の場合、もともとは錦江湾に浮かぶ島でした。
東シナ海を北上する黒潮と、錦江湾内を流れる潮流の境目に砂が堆積していきます。
長年をかけて堆積した砂により、九州本土とつながったものです。
ただし、常に海上に表れているわけではありません。
3月から10月の、中潮と大潮の干潮時だけ海上に現れます。
11月から2月の間は、北風で砂が流され、砂州がなくなってしまいます。
ちりりんロード
知林ヶ島と本土をつなぐ砂州には名前が付けられています。
ちりりんロードといいます。
潮が大きく引くときは、砂州が現れるだけではなく、歩いて知林ヶ島へ渡ることができます。
周りは潮の流れが早く、砂州が完全に表れていない状態で渡るのは、とても危険です。
砂州を渡る場合、まず、事前に安全に渡れる予想時間帯を調べて訪れます。
さらに、現地で安全を十分に確認してから渡ることをおススメします。
田良岬
田良岬(たらみさき)というのは、ちりりんロードがつながる本土側の岬です。
田良浜一帯は、指宿園地といって広大な公園になっています。
駐車場もたくさん用意されていますし、バスでも行くことができます。
岬の先端には、指宿エコキャンプ場がありますので目印になります。
そして、渡り口には「門限?」が書いてあるので安心です。
万が一、知林ヶ島に取り残されても水上タクシーで帰ることができます。
ただし、水上タクシーは料金が必要ですので、門限は守りましょう。
縁結びの島
知林ヶ島では、昔はジャガイモやサツマイモ、ナタネなどが栽培されていました。
常に豊作であったため「宝の島」とよばれていました。
ちりりんロードは、消えても必ず再び現れ、島と陸を結ぶ道となります。
そのため現在は「縁結びの島」または「愛の島」とよばれています。
パワースポットです。
チリンズハート
Chirinn’s Heart(チリンズハート)は、2つのオブジェがセットになります。
知林ヶ島を背景に2つのオブジェを一直線でみると、ハート型になります。
田良岬にあるので、砂州が現れていない状態でも見ることができます。
チリンズベル
チリンズベルは、鳴らすと幸せがくるといわれる鐘のことです。
知林ヶ島の、南展望台の上にあります。
砂州を渡り知林ヶ島につくと、右手に島の登り口があります。
階段を登りきると、最初に見えるのが南展望台です。
2つでハート型になる貝がら
ちりりんロードでは、モクハチアオイガイの貝がらがよく見られます。
モクハチアオイガイの貝がらを2つ合わせると、ハートの形になります。
知林ヶ島の遊歩道
知林ヶ島には、島を一周する遊歩道がつくられています。
知林ヶ島は無人島で、現在もほとんど開発されていません。
手付かずの自然を見ることができます。
島を一周すると約3kmになります。
遊歩道は、十分時間に余裕があるとき行くのがおススメです。
魚見岳展望台
魚見岳というのは、田良岬側にある山です。
山上に知林ヶ島をながめる展望台があります。
砂州が現れても現れなくても、知林ヶ島を高い位置からながめられるスポットです。
今日のちりりんロード
今日は中潮で、予測では5時間も砂州が現れる日なので、知林ヶ島に行けるはずです。
13時前には、砂州はまだ細いのですが、すでに渡島者がいました。
砂州を渡るのに約20分かかります。
そして、ふかふかした砂の上は、思った以上に歩きにくいものです。
帰りは30分以上かかりました。
滞在時間と休憩時間含め、所要時間は2時間でした。
気づいたこと
知林ヶ島にはトイレがありません。指宿園地で済ませておきましょう。
知林ヶ島には飲み物はありません。
砂の上や岩場を歩くといい運動になりますが疲れます。
水辺で遊ぶときは、ヒョウモンダコという猛毒を持つ、派手な色のタコに注意です。
砂州の出現予測時間が3時間以上あったほうが、ゆっくりできておススメです。
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