台場公園は、枕崎港の東岸に整備された公園です。
公園内には蛭子(えびす)神社が鎮座しています。
台場
鎖国政策をとっていた江戸幕府は、幕末になると異国船の襲来に備えて砲台を築きました。
この砲台のある場所を、台場とよびました。
全国的に有名なのは、ペリー来航にそなえた品川台場です。
テレビドラマ「踊る大走査線」の舞台となったことから、知名度が上がりました。
港区台場という地名になっていて、周辺の臨海副都心は「お台場」の愛称で親しまれています。
枕崎港にも、薩摩藩が築いた台場がありました。
台場公園が、かつての枕崎砲台跡になります。
台場公園
台場公園は、枕崎港の東側に整備された公園です。
摩藩の砲台が5台あったことから、台場公園と名付けられています。
残念ながら、砲台の遺構は、現在はありません。
芝生広場では子供が遊んでいました。
海沿いには散歩を楽しんだり、海をながめる人がいます。
夏になると、海水プールがオープンします。
枕崎市民の憩いの場となっています。
蛭子神社
台場公園に鎮座するのは、蛭子(えびす)神社です。
創建は古いのですが明治時代の神社統合で、枕崎港からは一時離れています。
そののち、1937年(昭和 12 年)に再興されましたが、社殿は台風で倒壊してしまいました。
現在の社殿は、1955年(昭和 30年)に枕崎漁協が再建したものです。
強風でも倒れないように、コンクリート製の社殿になっています。
ご祭神
蛭子神(ひるこしん)を祭神とします。
台場公園の蛭子神社の読み方は「えびすじんじゃ」です。
七福神のえびすさまと同一神とされます。
蛭子神はもとをたどると、海の神さまです。
えびす像が、釣り竿を担げているのをよくみかけます。
これは、のべ竿で必要な分を一匹ずつ釣るからだといわれています。
もちろん、将来を見据え海を漁場として残していくためです。
この計画性から、商売の神さまとして商人からも信仰されるようになっています。
航海安全、大漁祈願、商売繁盛の神さまです。
枕崎のカツオ
枕崎といえば、カツオの水揚げで有名です。
カツオ漁は、遠洋の一本釣りで行われています。
まさに、えびすさまに通じるところがあります。
鹿児島では新鮮な魚のことを「ぶえん」といいます。
「枕崎ぶえんカツオ」というのは、鮮度がとてもいい刺身用カツオです。
一本釣した鰹を船上で活きたまま〆(血抜き)した後、マイナス50℃まで急速冷凍してあります。
冷凍技術のない時代は、港の近くでしか食べられなかったカツオのことです。
鰹節もプレミアムなものを削りたてで使うと、旨味が凝縮されているのがわかります。
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