藤崎八旛宮は、熊本市民の総鎮守です。

初詣になると35万人の人がつめかけます。
国府八幡宮

国府八幡宮(こくぶはちまんぐう)というのは、令制国の国府に建てられた八幡宮のことです。

国府というのは奈良時代から平安時代にかけての、国の出先機関が置かれた都市のことです。

今だと県庁所在地みたいなイメージです。

各国の政治的な中心都市ですが、同時に司法、軍事、宗教的な中心部であるのが通常です。

国府八幡宮というのは、国府に創建された八幡宮で国衛の鎮守です。

藤崎八旛宮は、935年に京都の石清水八幡宮を勧請したものです。

「幡」ではなく「旛」なのは、後奈良天皇直筆の勅額が「旛」であるためです。

ちなみに後奈良天皇直筆の勅額は非公開です。

肥後国の三の宮です。
熊本城の鎮守社

鎌倉時代以降は、肥後国の歴代領主に大事にされてきました。

社地はもともと熊本城の西側にありました。

江戸時代になると熊本城の鎮守社とされています。

しかし、1877年に西南戦争で社殿を焼失してしまいます。

その後、再興されたのが現在の社地です。

旧社地跡には、陸軍監獄や陸軍病院が建てられました。

1960年の熊本国体を機会に、藤崎台球場として生まれ変わっています。

バックスクリーン裏のクスノキの大木群は、藤崎八旛宮であったときの名残です。
ご祭神

主祭神

主祭神は応神天皇です。
相殿神

- 神功皇后
- 住吉三神
ご利益

国家鎮護、諸業繁栄、出世開運、厄祓い、交通安全、子宝、安産、育児などにご利益があるとされます。
藤崎宮秋季例大祭

9月第3月曜日を最終日とする、藤崎八旛宮の例祭です。

神幸行列は、熊本市を代表する祭りになっています。

みこしに随兵と飾り馬が付いて、熊本市内を練り歩く恒例行事です。

「どーかい、どーかい」という掛け声で知られています。

「どーかい」というのは、熊本弁で「どうだい?」とか「どうですか?」という意味です。

掛け声には「どうだい?すごいだろ!」というニュアンスが含まれています。

もともとは「ぼした、ぼした」という掛け声で、祭りの名前も「ぼした祭り」といっていました。

「ぼした」の語源は諸説あり定かではありません。

一説では「滅ぼした」が転じたものであり戦意高揚に使われていたといわれました。

このため戦後占領軍により、この掛け声は禁止されたことがあります。

他にもどうも卑猥な意味が含まれているという説もあり、1970年から批判がはじまりました。

1990年以降、ついに「ぼした」という掛け声は使われなくなりました。

現在は、掛け声こそ「ぼした」という言葉は使われませんし、公的な表現は藤崎宮秋季例大祭です。

しかし、市民同士ではいまでも「ぼした祭り」といっています。
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