栗野岳八幡大地獄というのは、鹿児島県湧水町にある地獄です。
前が見えないほどの噴気が立ち込め、熱湯が噴き出す様子はまさに地獄です。
九州一の広さ
温泉地で地獄といえば、九州では別府や雲仙をイメージします。
鹿児島の栗野岳八幡大地獄は、知名度こそ別府や雲仙ほどはありません。
しかし、その大きさは約2ヘクタール。
地獄の広さは北海道の登別に匹敵し、九州一といわれています。
地獄とは？
地獄とは本来、生前悪いことをした者が、死後に行きつくところとされます。
火山活動が活発な地域では、高温の蒸気や熱湯が噴出している場所があります。
ぐつぐつと熱湯が噴き出る様子が、仏教でいう地獄のような様相を呈しています。
そのため、火山活動による噴気地帯を、日本では昔から地獄とよんでいます。
南州館
栗野岳八幡大地獄の入口には、栗野岳温泉南洲館という温泉宿があります。
もちろん、栗野岳八幡地獄が泉源です。
しかし、残念なことに2022年(令和4年)は休館中です。
南洲というのは、あの西郷隆盛のことです。
明治政府を離れ、鹿児島へ帰ったあと、栗野岳温泉で狩りや温泉を楽しんでいました。
南洲館という名前は西郷どんにちなんでいます。
入口の石祠は、八幡神を勧請したことから八幡地獄とよんでいるのでしょう。
石祠の手前に、地獄の門番なのか「ぬこ」さまがいました。
しかし、入口とは逆方向を見張っています。
止める素振りはないので、行っていいようです。
栗野岳
栗野岳は霧島連山の最西部にある火山で、霧島の山の中では最初に活動を開始しています。
噴火活動は次第に東へ移り、現在は新燃岳が活発です。
栗野岳も、山麓ではこうして火山活動が続いています。
注意事項
栗野岳八幡大地獄へ行くには、南洲館の敷地を通ります。
自由に無料で入ることができますが、注意事項があります。
まず、歩道から離れないように見学します。
歩道上にも噴気口があるので、転んだりして噴気に触れると、とても危険です。
サンダルで行くのはやめましょう。
噴気は大丈夫でも、有毒ガスや高温地帯は、見た目で判断できないので、命にかかわります。
江戸時代の前半には、地獄を利用した人殺しが行われていたという伝承もあります。
暗くなってからは、入らないほうが無難です。
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