疋野(ひきの)神社は、熊本県玉名市にある神社です。
県北きっての大社であり、玉名温泉を含め観光スポットになっています。
式内社
疋野神社は、延喜式神名帳に載る式内社です。
延喜式神名帳というのは、927年にまとめられた、当時の全国の官社の一覧です。
肥後国の式内社は3社のみです。
- 阿蘇神社
- 国造神社
- 疋野神社
景行天皇の九州巡行の際祀られたか、 それ以前よりあったとされる古社です。
840 年には官社に列しています。
中世に玉名地方を治めていた、日置氏(ひきし)の守護神でしたが、同氏滅亡後は衰退していました。
近世に再興されのち、藩主・細川氏により篤く崇拝されています。
ご祭神
- 主祭神 波比岐神(はひきのかみ) ・・・ 製鉄の神
- 相殿神 大年神(おおとしのかみ) ・・・ 五穀豊穣の神
ご利益
縁結び・商売繁盛・開運招福
境内
南側の長者通りの大鳥居が本来の参道となります。
駐車場は、参道途中にありますので、車で大鳥居をくぐります。
二の鳥居は、肥後藩家老で八代城主の松井直之寄進とされ、扁額には 「匹野宮」とあります。
さらに石段を登った先に、社殿があります。
手水舎横のミニ鳥居は、厄除鳥居とよばれています。
北門の大鳥居、 北門から入ると駐車場は社殿のとなりです。
地元の方は、歩いてくる場合は西門、車で来る人は北門から入ってきます。
社殿
拝殿です。
拝殿の前には力石が置かれています。
力石を持って、社殿を時計回りに一周してお参りして願掛けします。
拝殿を横から見ると、壁面には地元の中高校生が書いた絵馬が飾られています。
本殿には見事な彫刻がみられます。
疋野長者伝説
昔々、京の美しい姫に 「肥後国疋野に住む、 炭焼き小五郎という若者と夫婦になるように」と夢でお告げがありました。
姫はお告げの通り、疋野へ赴き小五郎と結婚します。
貧しい小五郎に、姫は金貨を渡し、米を買ってくるようにたのみました。
ところが、米を買いに行く途中、白さぎが飛んできたので、小五郎は金貨を投げてしまいました。
ケガをした白さぎは、谷間に落ちていきましたが、しばらくすると元気に回復し飛び去りました。
米を買わずに帰ってきた小五郎に姫は、金貨は大切なお金であり、なんでも買えることを説明します。
すると、小五郎は 「あんなものなら山にいくらでもある」といいました。
山を見ると多くの金塊が埋まっていて、夫婦は疋野長者となりました。
白さぎが、元気になった谷間には温泉があり、現在の玉名温泉となっています。
疋野長者の御神陵
本殿の裏には、疋野長者の御神陵があります。
御神陵に伝わるのは、長者伝説だけではありません。
御神陵の下には、金銀財宝が埋められているという伝説もあります。
長者の泉
長者の泉は、疋野長者の福授水です。
長者にあやかるだけでなく、健康長寿のご功徳があるとされます。
見ていると、ひっきりなしに水汲みの方が訪れています。
まとめ
疋野神社は県北きっての大社であり、玉名市一円の崇敬を集めています。
玉名温泉ゆかりの地であり、観光スポットでもあります。
長者にあやかり富を築きたい人にも、ピッタリです。
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