玉名天望館というのは、熊本県玉名市にある建築物です。
桃田運動公園でいちばん高い場所にある、展望台的な建物のことです。
芸術作品
玉名展望館は、玉名市街を見下ろす丘の上に建てられていますが、 ただの展望台ではありません。
その姿は、一般的にイメージする展望台とは全く異なります。
それもそのはず、1992年 (平成4年)に竣工した芸術作品です。
複雑かつ不思議な環境生命体と表現されています。
全体の形は、ハスの花と三本の矢をイメージしていて、建物自体に意味があります。
ハスの花 | 幸福の象徴 |
三本の矢 | 玉名の発展を表す |
1階 | 地の座 | 人々がふれあう場 |
2階 | 雲の座 | 自然との交歓の場 |
3階 | 星の座 | 天を望む場 |
中央の部屋 | ゼロの空間 | 小宇宙を象徴 |
熊本アートポリスプロジェクト
熊本県では、後世に残る文化的資産を創造するために、くまもとアートポリス事業なる取り組みを行っています。
1988年 (昭和63年)から、長期にわたって取り組まれているプロジェクトです。
第1号の熊本北署をはじめとして、建築物に限らず構造物など 100をこえる物件が完成しています。
宇城市 | 石打ダム資料館 | |
宇城市 | 三角港フェリーターミナル | |
氷川町 | 氷川ダム管理所 | |
湯前町 | 湯前まんが美術館 |
現在も進行中のプロジェクトです。
玉名天望館もそのひとつであり、展望台としての実用性とアート作品としての芸術性を兼ね備えています。
高橋正治 (1953~)
玉名天望館を設計したのは、鹿児島県出身の建築家、高橋正治氏です。
日本育ちなのですが大学卒業後の拠点は海外で、建築家としてのルーツは世界にあります。
高橋氏は、政府が躍起になる以前から、少子高齢化がすすむ過疎地域に目を向けていました。
1990年 (平成2年) に、高橋正治都市・建築設計事務所を設立し、いちはやく持続可能な地方建築を提唱してきました。
鹿児島県の方には、輝北天球館 (鹿屋市) も同氏の設計といえば、伝わりやすいでしょう。
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