宝満寺　薩摩の3名寺とされた大隅地方一の安産祈願所│Harada Office Weblog

宝満寺というのは、かつて鹿児島県志布志市にあったお寺です。

現在の宝満寺観音堂は跡地に再建されたものです。

薩摩の三名刹

時は奈良時代、宝満寺は神亀年間(724年~729年)に開山した、聖武天皇の勅願寺とされます。

1316 年には、大和国(現在の奈良県)西大寺(さいだいじ)から持ち込まれた、如意輪観音がご本尊になっていたといわれてます。

この当時から、ご本尊は安産にご利益があるといわれていました。

島津氏が大隅半島を治める時代には、「薩摩の三名利」とされる名寺となっています。

薩摩の3名寺

しかし、明治はじめの廃仏毀釈でいずれも廃寺となっています。

現在跡地にある宝満寺観音堂は、大隅半島でいちばんの安産祈願所とされます。

戌の日ともなると、多くの方がお参りに集まります。

観音堂は住時からの建造物ではなく 1936年(昭和31年)に再建されたものです。

跡地には宝満寺時代の名残が残っています。

庭園の山肌には洞穴があり、たくさんの神仏が残されています。

宝満寺全盛の往古からの史跡ですが、崖崩れと倒木の恐れがあります。

残念なことに2015年(平成27年)から、庭園の山肌にある神仏には入ることができなくなっています。

庭園では、大きなお寺であった片鱗を垣間見ることができます。

本堂の跡も庭園となっています。

池には風格ある石橋が何本もかけられています。

宝満寺の仁王像は、隅田原兄弟仁王像といって、1401年(室町時代)に建てられたものです。

当時、島津家は2派に分かれ紛争中で、志布志も戦場となっています。

犬の馬場の戦いで、勇敢に戦死した隈田原兄弟を偲んで、仁王像にしたといわれています。

さすがに、500年もたつと風化がすごくて表情はわかりません。

宝満寺は、山号からいうと律宗山密教院宝満寺といい、県指定史跡です。

安産祈願所としてだけではなく、観光地として多くの人が訪れています。