日向神(ひゅがみ)ダムは、福岡県八女市にある県営ダムです。
読み方は、(ひゅがみ)であり、(ひゅうがじん)ではありません。
日向神峡
日向神峡は、日向の神々がその美しさに惹かれてやってきたという伝説があります。
10mもあろう岩盤がそそり立つ姿は、なるほど神々が寄ってきそうです。
日向神ダムができる以前は、まるで中国の山水画のような風景がひろがっていたといいます。
春になると日向神ダム周辺は、千本桜がいっせいに開花します。
国道442号線は改良され走りやすいのですが、対岸の県道はとても狭い道です。
観光客がいっせいに訪れると、離合する際は苦労しそうです。
岩盤がすごい
堤頂部は、福岡県道・大分県道・熊本県道115号八女小国線の一部となっています。
そもそも日向神ダムは、1953年(昭和28年)6月に北部九州を襲った、昭和28年西日本水害により計画されたダムです。
1950年代に、このような通行もままならない切り立った場所にダムをつくったなんて、にわかに信じられません。
おそらく世紀の一大事業だったに違いありません。
現に福岡県初の県営ダムにもかかわらず、福岡県営ダムのなかでは今現在も最大規模のダムです。
ハート岩
日向神ダムの管理所の下は、ハート岩のビュースポットとなっています。
対岸の赤いアーチ橋は、蹴洞橋(けほぎばし)といいます。
蹴洞橋まで行けば、ハート岩がもっと近くに見えますが、道はせまいです。
恋愛成就のパワースポットとして人気があります。
諸元
名称 | 日向神(ひゅうがみ)ダム |
場所 | 福岡県八女市黒木町大渕字松瀬向 |
水系 | 矢部川 |
河川 | 矢部川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 福岡県 |
施行者 | 鹿島建設 |
ダム湖 | 日向神湖(ひゅうがみこ) |
目的 | 洪水調整・河川維持・発電 |
最高出力 (発電) | 大渕発電所 7,500kwh |
堤高 | 79.5m |
堤頂長 | 146m |
堤体積 | 235千㎥ |
流域面積 | 84.3㎢ |
湛水面積 | 112ha |
総貯水容量 | 27,900千㎥ |
有効貯水容量 | 23,900千㎥ |
着手/竣工 | 1953/1962 |
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