石室(いしむろ)観音堂は、相良三十三観音霊場の7番札所となります。
石水寺という大きなお寺の一角にあるお堂です。
原田喧嘩とは?
もとをたどると石室観音は、この原田地区にあった、石室寺というお寺のご本尊でした。
ところが、1502年に「原田喧嘩」という騒動がおきます。
「原田喧嘩」というのは、石室寺ととなりあう加茂神社との間で、境界線をめぐって争ったことをいいます。
しかし、この騒動で石室寺は廃寺に追いこまれてしまいました。
石室の名前と観音さまを残し、石水寺のとなりに移されたのが現在の石室観音堂です。
ご本尊
ご本尊は、聖観音座像となります。
相良三十三観音のなかでは、常時開帳されている数少ない観音さまです。
ご本尊隣の厨子にも、珍しい聖観音立像と童子の座像が安置されています。
しかし童子像はもう一体あったのですが、残念なことに十年ほど前に盗まれてしましました。
いまだに行方不明なんだそうです。
このようなことがあるため、どこの観音堂も鍵がかけられ、常時開帳されなくなってしまったのだなあと感じました。
【石室観音堂】
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石水寺
石室観音堂のとなりにある、おおきな寺院が石水寺です。
春にカイドウの花が咲くことで知られています。
1417年開山の曹洞宗のお寺で、カイドウは開山の記念に植えられたといいます。
だとしたら、樹齢は600年にもなると思われます。
山門にかかるアーチ型の眼鏡橋が目を引きます。
丸い石をくりぬいた山門も有名です。
【石水寺】
天満宮
石水寺のすぐ近くには、天神さんも鎮座します。
ここらへんには、現在でも寺社が集中しています。
【西門菅原天満宮】
場所 熊本県人吉市下原田町西門
まとめ
石室観音堂周辺には、石水寺を中心に寺社が多くあり、霊場にふさわしい場所です。
宗教家にとっては重要な土地でした。
だからこそ、寺社間の敷地の境界線争いがおこり、それが原因で廃寺にまで追い込まれています。
まあ、それを500年後まで語り継がれるとは、当事者たちは思ってなかったでしょう。