加治木港

加治木港 かつてホーバークラフトが就航していた空港との接続港


加治木港は、鹿児島県姶良市にある港です。

加治木港に停泊する貨物船

錦江湾の最深部にある港で、現在は主に貨物港として利用されています。

空港ホーバークラフト

加治木港

現在の加治木港には、旅客用の定期便の入港はありません。

かつては、鹿児島港と山川港(指宿市)さらには桜島港を結ぶ、ホーバークラフトが運行されていました。

1972年(昭和47年)、鹿児島空港が鴨池から溝辺へ移転した際に就航したものです。

新空港へ高速船就航

MBCアーカイブス

キャッチフレーズは、「鹿児島から指宿まで20分」でした。

ホーバークラフト就航(昭和47年)

MBCアーカイブス

ホーバークラフトは確かに速く、海上でありながらスピードは時速100㎞に達します。

空港が鴨池から溝辺へ移転したため計画

MBCアーカイブス

鹿児島本港と加治木港を20分で結んでいました。

加治木-鹿児島-山川

MBCアーカイブス

しかし、加治木港から空港まではバスで25分かかります。

加治木港のクレーン車両

ホーバークラフトを利用した場合、鹿児島市から空港間は通算45分かかっていたことになります。

加治木港のふ頭から見える桜島

高速道路が開通すると、ホーバークラフトを利用しなくても45分で空港へ行けるようになりました。

加治木港のふ頭

そのためホーバークラフトの航路は、1977年(昭和52年)に廃止されています。

加治木港 ホーバークラフトが上陸していた斜路

加治木港に残る斜路は、ホーバークラフトが上陸する際に使っていたものです。

加治木港 ホーバークラフトが上陸していた斜路

まだ山川港(指宿)や桜島港までの優位性はあったのですが、燃費が悪いので商業利用は難しいようです。

大分ホーバーフェリー

大分ホーバーフェリー – Wikipedia

有名な大分空港のホーバークラフトも、2009年(平成21年)で運航を終了しています。

加治木港から見える三島(辺田小島・弁天島・沖小島)

これにより、国内でホーバークラフトに乗ることができる航路はなくなっています。

加治木港から見える黒川岬

現在の加治木港

加治木港

加治木港で荷下ろしされるのは、建設資材とりわけセメントの資材です。

加治木港で荷下ろし作業中の貨物船

鹿児島空港が近く、空輸されたロケットの部材を加治木港から種子島まで船で運んでいます。

加治木港で降ろされた建設資材

また、菱刈鉱山で採取された金鉱石などが、積み込まれています。

加治木港 ベルトコンベア

1993年(平成5年)の8.6 水害後には、日豊本線と国道10号線が長期間不通となりました。

加治木港 漁協

このとき、加治木港~鹿児島港間には、臨時の旅客船が運行されたことがあります。

加治木港 旅客用埠頭

これを教訓として、災害時には旅客港として使えるように、その機能を残しています。

加治木港 ホーバークラフト用スロープ

江戸時代以前の歴史

加治木港 セメントのプラント

加治木港は、中世から地理的に重要な港でした。

加治木港 セメントのプラント

山ヶ野金山や山野金山全盛時には、採取した金を積出していました。

南国交通 加治木港バスのりば

加治木港は交通の要衝で、旅客も多く繁栄した場所です。

加治木港 ホーバークラフトの加治木ターミナルのあった場所

鉄道や国道10号線にあたる道路など、陸上交通網の発達に伴い旅客需要は減少しています。

加治木港 ホーバークラフトの加治木ターミナルのあった場所

場所 鹿児島県姶良市加治木町港町

関連記事

【関連記事】鴨池港フェリーターミナル 旧鹿児島空港跡に造られた垂水フェリーのふ頭

【関連記事】マリンポートかごしま 観光客だけでなく県民も訪れる大型クルーズ船用港湾施設

【関連記事】旧垂水港フェリーターミナル 南大隅と薩摩半島を結ぶ重要旅客港の遺構