川上中学校は、かつて鹿児島県肝属郡肝付町にあった町立中学校です。
美しい木造校舎が鹿児島県にも残っていました。
木造建築美
この記事でいう「美しさ」は、廃墟マニア的な美しさではありません。
古民家的な美しさです。
美しい木造校舎は、2009年(平成21年)国の登録有形文化財となっています。
現役の中学校でありながら、校舎は国の有形登録文化財であったということです。
この時代、こんな美しい木造校舎を現役で使っている学校は本当に少ないと思います。
しかも、さりげなく集落に溶け込む平屋建てです。
外壁についている三角形の支え板は、建物の強度を上げるものです。
建築用語でパットレスといいます。
これがまた、美しいデザインで景観を引き立てています。
ローケーション
川上中学校へ行くには、肝属川の支流高山川を上流に向かって登ります。
川上集落の県道沿いにある学校なので、場所はみつけやすいです。
校舎は1949年(昭和24年)に建てられたものです。
以後1961 年(昭和36年)と 1972年(昭和 47年)に手を入れてあります。
基本設計は昭和 20年代のものであり、当時の公立学校の姿を残す貴重な建物です。
川上中学校は、2020年(令和2年)に閉校となったばかりです。
実は 2012 年(平成 24 年)から休校となっていました。
中学生は肝付町立国見中学校へ通学しています。
校内
五十周年記念碑を中心とした記念碑群です。
碑文を読んでみましたが、苔でよくわかりませんでした。
苔アートは、手書きで「コロナにまはるな」でした。
プールです。
「うんてい」です。
校舎の中も見てみたい気もします。
ガラス越しにのぞかせてもらいました。
木枠の窓、本当に最高です。
なんとも愛おしい校舎でした。
沿革
1947年(昭和22年) | 高山町立後田中学校川上分校として創立 |
1949年(昭和24年) | 高山町立川上中学校として独立 |
2005年(平成17年) | 肝付町立川上中学校へ改称 |
2009年(平成21年) | 国の有形文化財として登録 |
2012年(平成24年) | 休校 |
2020年(令和2年) | 閉校 |
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