川辺(かわなべ)ダムは、鹿児島県南九州市川辺町にある多目的ダムです。
工事が中止された、熊本県の川辺川(かわべがわ)ダムと名前が似ています。
大分県にも同名のダムがあります。
この記事は、鹿児島県の川辺ダムについて書いています。
本体
シラス台地につくられたダムです。
左岸側のシラス層は透水性が高いため、地中にコンクリート壁をつくり止水しています。
この止水工事は、ダム本体工事に匹敵する大工事でした。
個性的なデザインのダムです。
堤頂部を渡り、左岸側にいくことができます。
ダム管理所は左岸側にあります。
常用洪水吐は、ゲート式ですが、非常用洪水吐は自然越流式になっています。
右岸側には駐車場やトイレがあります。
ダム直下には、小水力発電所がありました。
自動販売機のデザインは、南九州市オリジナルです。
描かれているのは、マスコットキャラクター「お茶むらい」です。
目的
- 洪水調整
- 河川維持
- がんがい用水
万之瀬川流域は、梅雨時や台風時の降水量が多く、流域の家屋も大きな被害を受けてきました。
万之瀬川の下流は南薩地域の穀倉地帯となっています。
しかし、渇水期になると深刻な水不足に悩まされることがありました。
さらに下流の加世田市(現在の南さつま市)では、工業用水の確保が必要でした。
さつま川辺湖
川辺ダムによる人造湖は、さつま川辺湖と名付けられています。
ながめてみると、ダム湖の地形はけっこう急峻です。
最奥の流れ込みあたりでは鯉釣りができるという情報はあります。
しかし、バスの釣果報告はあまりないようです。
南薩縱貫道
右岸側は南薩縦貫道という高規格道路になっています。
鹿児島市と枕崎市を結んでいて、一般道路区間と自動車専用道路区間が混在しています。
南九州川辺ダムICから、南九州知覧ICまでは自動車専用道路となっています。
南薩縦貫道のおかげで、川辺ダムは訪れやすいダムになっています。
諸元
名称 | 川辺ダム |
場所 | 鹿児島県南九州市川辺町神殿 |
水系 | 万之瀬川 |
河川 | 万之瀬川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 鹿児島県 |
施行者 | 熊谷組・竹中土木・森山(清)組 |
ダム湖 | さつま川辺湖 |
目的 | 洪水調節/河川維持用水/かんがい用水/工業用水/上水道用水 |
最高出力 (発電) | 375kW 小水力発電 |
堤高 | 53.5m |
堤頂長 | 147.0m |
堤体積 | 103千㎥ |
流域面積 | 30.2㎢ |
湛水面積 | 23ha |
総貯水容量 | 2,920千㎥ |
有効貯水容量 | 2,460千㎥ |
着手/竣工 | 1981/2002 |
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