輝北(きほく)ダムは、鹿児島県鹿屋市輝北町にある、コンクリート重力式のダムです。
曽於南部地区の畑地かんがいを主目的に造られたダムです。
曽於南部地区土地改良事業
鹿児島県の台地は、見た目には農業用地として最適なのですが、特殊な事情があります。
姶良カルデラの噴火によって火山灰でおおわれています。
いわゆるシラス台地です。
水持ちがとても悪く、生産性の低い作物しか育たないのです。
曽於南部地域も同じ事情を抱えていました。
そこで、輝北ダムが計画されています。
計画自体は 1970 年代からあったのですが、8機におよぶ揚水場と 96 kmにおよぶバイプラインを伴う大事業で、ダムが完成したのは2005年(平成17年)でした。
ダム本体
堤体幅のほぼ全部を使って越流する、涼しげなダムです。
残念ながら、堤体の下流側を見るスポットは限られています。
堤体ふきんから見たダム湖です。
堤頂部は通行可能です。
右岸に渡ってみましたが、逆光でした。
ダム直下にあるのは、小水力発電所です。
ダム見学用の駐車場は、左岸側にあります。
ダム管理所も左岸です。
洪水吐から自然に越流する状態が常時満水位です。
ダム湖でのつり禁止
残念ながら、輝北ダム湖でのつりは禁止されています。
上流部に行くと、釣りができそうなポイントがあるのですが・・・
これでもかというくらい、立入禁止看板が立っています。
平房公園
水没地となった上平房(かみひらぼう)地区の方の、協力と理解を記念して整備された公園です。
平房はホタルの生息地で、「ひらぼうほたるの里」と名付けられています。
ホタルを見るスポットは、ダム下流の平房活性センター周辺です。
平房公園はダム上流、ダム湖の左岸側にあります。
公園内の家屋は、水没地にあった住居を移築したものです。
なんと、1904年(明治37年)に建てられたものです。
かごしま国体2020
公園の奥にあるのは、競艇ボート用の設備です。
2020年(令和2年)は、鹿児島県で国体が開催される予定でした。
新型コロナウイルスの影響で、スケジュール通り秋に開催されないことは決まっています。
輝北ダムはボート競技の会場となっています。
諸元
名称 | 輝北(きほく)ダム |
場所 | 鹿児島県鹿屋市輝北町平房 |
水系 | 菱田川 |
河川 | 大鳥川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 九州農政局 |
施行者 | 竹中土木・三井住友建設 |
ダム湖 | - |
目的 | かんがい用水 |
最高出力 (発電) | 400kw (小水力発電) |
堤高 | 41.9m |
堤頂長 | 114.0m |
堤体積 | 63千㎥ |
流域面積 | ㎢ |
湛水面積 | 72ha |
総貯水容量 | 8,200千㎥ |
有効貯水容量 | 6,350千㎥ |
着手/竣工 | 1979/2005 |
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