中岳(なかだけ) ダムは、鹿児島県曽於市末吉町にある、農業かんがい専用ダムです。
曽於東部のシラス台地に、農業用水を送る目的で造られています。
大淀川
大淀川といえば宮崎県のイメージが強いのですが、水源は鹿児島県曽於市になります。
宮崎県市の南西部を流れる川は大淀川の支流であり、その水系には名立たる数多くのダムがつくられています。
その本流の最上流にあるのが、中岳ダムになります。
都城市と日南市を結ぶ国道222号線からアクセスでき、それほど秘境感はありません。
国道222号線からダムまでの道も、そこそこの歓迎ムードがあります。
ダム本体
中心遮水ゾーン型のロックフィルダムです。
2007年(平成19年)に竣工したダムになります。
2000年代以降に竣工したダムなので、外来種放流禁止の看板があります。
ブラックバスの釣果は期待できないと思います。
そもそも、ダム湖へは立入禁止になっていて、つりはできそうにありません。
非常用洪水吐です。
導水部です。
右岸から見た管理棟です。
右岸側にある取水施設です。
左岸側の見学者用の広場です。
堤頂部は一般車両は入れません。
堤体脇のコンクリート製の建造物は監査廊の入口、こちらは左岸側です。
右岸側の監査廊入口です。
ダム湖(調整池)です。
曽於東部農業水利事業
曽於東部農業水利事業というのは、保水性の乏しいシラス台地の畑をかんがいする事業です。
揚水機場2ヶ所とパイプライン 98 kmをともないます。
調整池が1ヶ所、ファームポンドは8カ所あります。
中岳ダム中央管理所
その中心的貯水施設が中岳ダムということです。
管理所は左岸側です。
高岡頭首工
中岳ダムのおもしろいところは、大淀川の水源の近くにあるダムなのですが、貯水する水は安楽川から導水しているところです。
中岳ダムから約4km下流にいくと、安楽川が流れています。
大淀川のそばを流れていますが、大淀川が太平洋の日向灘へそそぐのに対し、安楽川は南へ流れ、志布志湾に注いでいます。
安楽川の高岡頭首工から取水し、揚水機で中岳ダムへ送ります。
頭首工というのは、農業用水を河川から取水するための堰のことです。
中岳ダムの直接流域が1.3 km²なのに対して、高岡頭首工の流域面積は24倍の25.2km²になります。
諸元
名称 | 中岳ダム |
場所 | 鹿児島県曽於市末吉町南之郷字市林 |
水系 | 大淀川 |
河川 | 大淀川 |
型式 | ロックフィル |
事業者 | 九州農政局 |
施行者 | 飛島建設・三井住友建設・三幸建設工業 |
ダム湖 | ー |
目的 | かんがい用水 |
最高出力 (発電) | ー |
堤高 | 69.9m |
堤頂長 | 312.5m |
堤体積 | 1,570千㎥ |
流域面積 | 1.9㎢ |
湛水面積 | 28ha |
総貯水容量 | 4,310千㎥ |
有効貯水容量 | 4,250千㎥ |
着手/竣工 | 1981/2007 |
関連記事
【関連記事】ダムがもっと好きになる ダムを楽しむ本をチェックしてみた