根占港(ねじめこう)は、鹿児島県南大隅町にある港です。
指宿市の山川港とを結ぶ、なんきゅうフェリーの乗り場となります。
根占港フェリーターミナル
現在、根占港発着の旅客航路は、 山川港行のフェリーなんきゅうだけです。
2020年 (令和2年)までは、指宿港行の高速船・なんきゅう 10号の発着場でもありました。
どちらも大隅半島の南部と薩摩半島の南部を結ぶ航路です。
高速船なんきゅう 10号は、わずか20分で両半島を結びますが、 自動車をのせることはできませんでした。
一方のフェリーなんきゅうは、50分かかりますが、 自動車を乗せることができます。
九州は車社会であり、陸上の移動は観光客もレンタカーを使ったほうが便利です。
そのためか、現在はカーフェリー航路に絞られています。
船名 | フェリーなんきゅう(2代目) |
航路 | 山川港~根占港 |
所要時間 | 約50分 |
総トン数 | 136トン |
長さ | 34.1m |
幅 | 8.6m |
旅客定員 | 95名 |
積載車両数 | 普通車18台 または大型車2台と普通車6台 |
運行会社 | なんきゅうドック |
ホームページ | ホーム | フェリーなんきゅう |
時刻表 | 時刻表 |
運賃表 | 運賃表 |
海の国道
山川町(現在の指宿市) と根占町(現在の南大隅町) に間に定期旅客船が就航したのは、 1968年 (昭和43年)のことです。
指宿市を起点に大隅半島を縦断して宮崎市へ至る国道269号線の海上区間で、海の国道とよばれる区間です。
宮崎市から都井岬や佐多岬を経て指宿市へ至るルートは、当時の新婚旅行の定番ルートでした。
錦江湾の横断航路
大隅半島と薩摩半島の間の錦江湾には、3つの横断航路があります。
桜島フェリー | 鹿児島港 ~桜島港 |
鴨池垂水フェリー | 鴨池港~垂水港 |
なんきゅうフェリー | 山川港~根占港 |
なかでもなんきゅうフェリーは最南端を結ぶルートです。
山川~根占航路がない場合、 指宿市から南大隅町へ行くには、大きく迂回せざるを得ません。
航路の変遷
1984年、当時の航路を運営していた岩崎グループの南海郵船は、「フェリー第5おおすみ」(定員800名)を投入していました。
しかし、ハネムーンブームが去ると次第に客足は遠くなり、2000年代に入ると燃料が高騰します。
2002年 (平成14年)に、岩崎グループは山川〜根占航路を休止しています。
住民から復活の要望が強かったため、 「ブーゲンビリア」 (定員275人)を投入し航路を復活します。
しかし、 2010年(平成22年)岩崎グループは、さらに燃料が高騰したとして、再休止しています。
このまま岩崎グループは山川~根占航路から撤退し、後を引き継いだのが南九州船舶(現在のなんきゅうドック)です。
2011年 (平成23年)に「フェリーなんきゅう」を新造投入しています。
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