恐ヶ淵(おそろしがふち)というのは、もう名前からしてかなり恐ろしそうなスポットです。
熊本県南阿蘇村を水源とする、大谷川にある淵になります。
やすらぎの里久木野村
山奥といえば山奥なのですが、阿蘇の南外輪山山麓にはリゾート感あふれる街が広がっています。
旧久木野村時代にやすらぎの里といって、観光施設や住宅、別荘用に整備したものです。
グリーンロード南阿蘇から外れ、阿蘇カルデラの南外輪山をすこし登ると、看板が見えてきます。
看板から川沿いを上流に進むと恐ヶ淵です。
道中はリゾート感があふれ、名前から想像していたほど、恐ろしい場所ではありませんでした。
恐ヶ淵伝説
その男は、この淵の主であるクモの恐ろしさを知りませんでした。
男が淵で釣りをはじめたところ、対岸からクモが泳いできました。
そして、男がはいていた角結びのぞうりに糸をかけ始めました。
糸はみるみるうちに小指ほどの太さになります。
やがて男は、水中に引き込まれそうになりました。
それ以来、 この淵へ角結びのぞうりをはいて行ってはいけないと伝えられるようになっています。
そして、この地を恐ヶ淵とよぶようになりました。
本当に恐ろしいか?
恐ヶ淵は、5mくらいのガケから流れ落ちる滝の、滝つぼとしてできた淵です。
水量はさほど多くありませんが、永年の浸食で周辺の岩は深くえぐられています。
周辺に生えた木で光は届かず、淵はとても深そうに見ました。
つりをしようにも、淵に近づくためには、ずぶ濡れになる覚悟が必要です。
現在は、ぞうりをはく人はいなくなりましたが、スニーカーなどのひも靴を履く人は多いです。
靴ひもに糸を掛けて淵に引きずり込もうとする婆クモが、岩陰に潜んでいるはずです。
場所 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽
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