西南の役激戦地というのは、 鹿児島県霧島市横川町にある史跡です。
西南戦争の激戦地は各地にあるのですが、 横川町の戦場はそのまま「西南の役激戦地」と表現されています。
北原民部之介
民部塚というのは、 横川城主 北原伊勢之介の弟、 北原民部之介をまつる塚です。
1570年、 島津軍が横川城の北原氏を攻めたとき、 北原民部之介は18歳の若武者でした。
民部之介の奮闘で島津軍を追い返しましたが、 ここで大軍に包囲されています。
行き詰った民部之介は 「北原民部の最後を見て後世の手本とせよ」 と叫び自害したのが民部塚です。
川路大警視
川路利良 (1834~1879) というのは、日本の警察制度を確立させた人物です。
薩摩藩出身で明治維新にともない上京し、 内務官僚となっています。
西郷隆盛の推薦で、 欧州の警察制度を視察、 日本の警察制度を築いています。
40歳で自ら警察庁の初代大警視 (現在の警視総監) に就任しました。
皮肉なことに、 西南戦争では警視庁選抜の抜刀隊が活躍し、 薩軍を苦しめることになります。
川路利良銅像はなぜ横川に?
この川路利良、出身地は日置郡鹿児島近在比志村 (現在の鹿児島市皆与志町)です。
なぜ、 横川に銅像があるのかというと、 民部塚にゆかりがあるためです。
島津義弘に攻められ横川城は落城しましたが、城主・北原伊勢之介は蒲生に逃れています。
その後、川路姓に改めて生活していたといいます。
つまり、川路利良は北原氏の末裔ということになります。
元は盟友とはいえ、西郷どんの人気が高い鹿児島にあって川路利良は敵です。
当初は県民からの評価は低かったといいます。
しかし、現在ではその功績は「日本警察の父」として高く評価されています。
西南戦争での激戦
熊本での戦いで劣勢を強いられた薩軍は、 鹿児島へ向かいます。
鹿児島へ退却する過程で追いかける官軍と交戦､ここ横川町でも死闘が繰り広げられました。
戦闘は物量に勝る官軍優勢で展開し、 両軍合わせて約62名が戦死しています。
実は、 西南戦争の薩軍兵士の幽霊が目撃されるスポットでした。
おまけに川路大警視の銅像が建てられてからというもの、霊の目撃情報が急増しています。
ついには交通事故まで起き、そのドライバーの証言が物議をかもしたことがありました。
ドライバーが見たのは、まさに西南戦争で戦った兵士たちの姿でした。
川路大警視は自分の職務を全うしたに過ぎませんが、 薩軍兵士からすれば敵です。
西南の役激戦地、しかも官軍が圧勝した場所に、川路大警視の銅像を建てたため、戦死した薩軍兵士が怒ったのではないかといわれています。
場所 鹿児島県霧島市横川町中ノ
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