新宮寺観音堂 六観音が安置される新緑と紅葉スポット

新宮寺観音は相良三十三観音霊場の32番札所となります。

宮寺周辺は樹齢を重ねたモミジやカエデ、イチョウなどがあり、新緑や紅葉のスポットとしても知られています。

新宮寺観音堂

新宮寺の開山は1405年にさかのぼります。

相良家一族の新宮家が、菩薩寺として建立しました。

この時、六観音を安置したのが新宮寺観音の由来です。

1576年の火災の際、全焼した本堂の灰の中から金色の尊像が発見されました。

当時の領主、相良家第18代、義陽(よしひ)が、この尊像を祀るために、六体の観音を寄進する発願したのが現在の六観音となります。

新宮寺は現役のお寺です。

新宮禪寺ともいい、黄檗宗日本最南端の寺院となります。

六観音が揃ったあとも、観音堂は真宮寺の境内にありました。

1937年(昭和12年)に、本堂の横の階段の上に観音堂を移築しています。

階段は札番と同じ32段あるそうです。

ご本尊

お堂には六観音が安置されます。

正確には阿弥陀如来観像も安置されているため七観音となります。

常時開帳されている、貴重な観音さまです。

六観音は1577年から1630年にかけて作られたもので、54年かかって完成しています。

それぞれ違った仏師が、年代を追い彫作したのが貴重といわれています。

六観音は錦町指定の重要文化財となります。

十一面観音

1577年(天正5年)大隅の仏師、回月の作となります。

頭の上に十一の顔があり、全方位の苦しむ人を見守っています。

災難回避、病気治癒、財福授与、必勝、延命、極楽往生にご利益があるとされています。

子安観音(如意輪観音)

1578年(天正6年)十一面観音と同じく、大隅の仏師、回月の作品です。

地獄絵図には、血の池で苦しむ女性たちを救う観音さまとして描かれています。

そのため、女性を救う観音さまとして知られています。

安産、子授け、縁結び、智慧財福、福徳授与にご利益があるとされています。

千手観音

1578年(天正6年)仏師、日高民部藤原秀永の作です。

正式には千手千眼観自在菩薩というのだそうです。

人々をすべての苦しみから救うために千本の手があるといいます。

災難回避、延命、病気治癒、夫婦円満、恋愛成就にご利益があるとされます。

聖観音

1579年(天正7年)の作ですが、作者は不明です。

六観音の基本像となります。

他の観音さまに姿を変え、苦しむ人々に救いの手を差しのべる観音さまです。

災難除去、現世利益、病気平癒、厄除け、開運、極楽往生にご利益があるとされます。

准提観音

1586年(天正14年)仏師金策の作となります。

神の妃ともいわれます。

神々しい武器で魔族を倒した戦いの女神です。

仏教においては、慈悲深い清浄をもたらす観音さまとされています。

修道者守護、無病息災、延命にご利益があるといいます。

馬頭観音

1630年(寛永7年)上村の尾形大学の作です。

頭の上に馬を乗せた観音さまです。

馬が草を食べるように、煩悩を食いつくし取り除きます。

怒りの激しさにより苦悩や諸悪を粉砕するといわれます。

無病息災、動物救済、厄除け、旅行安全にご利益があるとされています。

場所 熊本県球磨郡錦町大字西1670

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