末吉(深川) 熊野神社は、 鹿児島県曽於市にある神社です。
1月7日の鬼追い神事で広く知られています。
奇習鬼追い
鬼追いはもともと、代々光明寺で行われてきた仏教行事です。
明治時代の廃仏毀釈で光明寺が廃寺となると、鬼追いも途絶えました。
ところが、鬼追いが途絶えたとたんに、このあたりで疫病がまん延しました。
そのため、地域の手で鬼追いを復活し、熊野神社の神事として現在に伝わっています。
参道の仁王像は、光明寺のご本尊を守護してきたものですが、今は熊野神社の門番となっています。
招福除災の鬼
鬼追いの鬼役は、25歳の厄年の青年3人と決まっています。
3人は男女・子供の3匹の鬼に扮し、それぞれに2人の鬼追いが付きます。
見物の人は鬼から逃げながらも、鬼が身に着ける御幣をむしり取ります。
節分などでは悪役の鬼ですが、実は深川の鬼は大歓迎されています。
それもそのはず、招福徐災の善鬼とされるからです。
鬼追いは、鹿児島県の無形民俗文化財に指定されています。
ご祭神
- 国常立命(くにのとこたちのみこと)
- 伊邪那岐命(いざなきのみこと)
- 伊邪那美命(いざなみのみこと)
深川院
かつてこのあたりを深川院とよび、 熊野神社付近が深川院の中心地でした。
南北朝時代には野辺氏が治めていましたが、地域の名を名乗り深川氏と改めています。
熊野神社境内の五輪塔は、深川氏代々の墓とされています。
その大きさが、かつての隆盛を物語っています。
知新学舎の跡
熊野神社近くには、明治時代から大正時代にかけて、知心学舎がありました。
創立は1907年(明治42年) で、深川ではいちはやく青少年教育が根差しました。
時代の流れとともに消滅していますが、その精神は今もこの地に引き継がれているといわれます。
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