栖山観音は相良三十三観音霊場の23番札所となります。
栖山観音堂は、駐車場から113段の石段を登った森の中のお堂です。
栖山寺
かつて、栖山寺というのがあって、そのご本尊が栖山観音でした。
栖山寺は「球磨修験道四山」のひとつとされています。
修験道というは、山岳信仰を仏教に取入れた日本独自の宗教のことです。
ご本尊は13世紀後半の作であり、それ以前から栖山寺はあったものと考えられます。
1566年、近くの新山八幡宮建立の際、導師を勤めたのが栖山寺であったという記録が残っています。
現在のお堂は、1712年に建てられたものです。
鰐口は現在のお堂の建立以前、1705年に寄進されたものです。
2015年(平成17年)、相良三十三観音廻りが日本遺産の構成文化財となっています。
それに合わせて、栖山観音堂(建造物)は多良木町の有形文化財として指定されています。
ご本尊
ご本尊は千手観音立像となります。
永仁年間(1293〜1299年・平安後期)の作となります。
特徴は、観音像の大きさです。
相良三十三観音以外も含め、球磨郡内で最大の観音さまとなります。
その大きさは2m83cmとなります。
これだけ大きな像ですから、有力願主が作らせたものと考えられます。
それが、須恵氏であったのか、平河氏であったのか、それともほかの有力者であったのか。
残念ながら、詳しくはわかっていません。
本尊の横には四天王のうち特国天や多聞天などの天部像が安置されています。
1961年(昭和36年)、 ご本尊とともに県指定重要文化財になっています。
安産と子宝にご利益があることで有名です。
歯の神さん
栖山観音堂からさらに階段を登ると、権現社と稲荷神社があります。
栖山観音堂横の2社への、参道入り口にある小さな祠が歯の神さまです。
お参りすると、歯痛や、歯槽の病気を治すのに、ご利益があるといわれています。
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