高田石切場というのは、鹿児島県南九州市にある採石場跡です。

大人気スポット・たかたの命水とセットで売り出す観光地です。
いしきぃどん

南九州市川辺町には、入戸火砕流によるシラス地帯が広がっています。

ところが、その下には阿多火砕流における溶結凝灰岩がみられます。

高田地区では、この溶結凝灰岩が表層に現れており、石材として利用されました。

江戸時代末期、西暦でいえば1800年代の前半ごろが最盛期となります。

もちろん当時は機械などなく、竹の足場を組みノミやツルハシで石を切り出していました。

「いしきぃどん」とよばれる石工は70名近くいたといいます。

切り出した石は、「高田石」といわれ、墓石などに利用されています。

高田石は加工しやすく、風雨にさらされると固まる性質があり重宝されました。

垂直な石壁

すくなくとも最近まで採石は続いています。

石を切り出した後は、垂直な石壁が残っています。

高田石切場だけではなく、どこの石切場も同じ様子です。

シラスの場合は、垂直に切ると降雨時も崩れないとききます。

石の場合も同様に、垂直に切ると切り出し面の強度が安定するのでしょうか?

県道263号線沿いを流れる永里川をのぞくと、川底は大きな岩です。

この周辺の地質がよくわかります。

たかたの命水

高田石切場を訪れた日は、同時間に人は全くいませんでした。

一方、たかたの命水には、次々と車が集まってきます。

水汲み場は多くの人が絶え間なく集まる大人気スポットです。

すごい流量で勢いよく給水できるのにもかかわらず、行列ができています。

よほどの銘水、いや命水なのでしょう。

池のコイも活き活きしています。

高田摩崖仏

永里川を少し下ると、壁面に高田摩崖仏を見ることができます。

江戸時代中期、西暦1700 前後に彫られたものです。

廃仏毀釈のさいは林の中に隠れていて難を逃れたため、完全な形を保っています。

彫られているの5仏像+1神像です。

- 観音像
- 薬師如来像
- 阿弥陀仏像
- 毘沙門天像
- 大黒像
- 天照大神


関連記事
【関連記事】岩屋公園 清水摩崖仏にまつわる美しい公園も夜は怪しいウワサが・・・
【関連記事】川辺温泉 奇抜な外観で県外客も誘惑する地元の温泉施設
【関連記事】優しい顔の仏さま 仏教の町・川辺町の道端にたたずむ仏像