鰻池というのは、 鹿児島県指宿市にあるカルデラ湖です。
コバルトブルーの湖面に取り囲む山が美しく映り込み 、湖畔の温泉街を含め観光地となっています。
鰻池のスペック
鰻池は、約5700年前の火山活動でできた火口湖です。
直径 | 1.3㎞ |
水深 | 56.5m |
周囲 | 約4.2㎞ |
周囲は急な崖で囲まれています。
流入する川はありませんし、 流出する川もない純粋なカルデラ湖です。
鰻池の伝説
鰻池とよばれるようになったのは、この地の伝説に由来します。
その昔、鰻池の水をがんがいに利用し、米を作ろうと開削工事が行われました。
ところが池の底から大ウナギが現われ、 開削した場所に横たわりました。
このままでは水が流れないため、村人は大ウナギを切り裂きました。
ところが、 大ウナギは片身のまま池に戻り、 そのまま生き続けたと語り継がれます。
名前の通り、大正時代からウナギの養殖が行われていました。
しかし、養殖事業は水質悪化と後継者難から、 1996年(平成8年) で終了しています。
遊泳禁止
鰻池での遊泳や水遊びは禁止されています。
池の水は上水道用水に使われます。
閉鎖型湖沼は、いったん水質が悪化すると、長期間改善しないというのが表向きの理由です。
遺体が沈む
実は、鰻池では水難事故が発生しても、遺体が浮いてこないことで知られます。
通常ならいったん沈んだ遺体は、体内に腐敗ガスがたまることにより浮かび上がります。
しかし、鰻池の20mより深い部分は、年間通じて10℃前後の水温で安定しています。
さらに水深が深いところに沈んだ遺体には水圧がかかります。
水温が低く腐敗ガスの発生が抑えられるうえ、かかる水圧により遺体は浮かばないといわれています。
心霊スポット
実は、鰻池は心霊スポットとのうわさもあります。
- 河畔に立っていた者が池に飛び込む姿をみた
- 子供を抱いた着物姿の女性が身を投げた
大戦末期、鰻池に身を投げたものが数名いたといわれます。
しかし、地元のものではなく遺体の捜索はされなかったといいます。
この時代、 遺体が浮かないのは、池の底からたくさんの手が伸びてきて絡みつくためといわれていました。
大戦末期に沈んだ人の遺体は、二度と浮き上がってこなかったと伝わります。
以後も自殺者と思われるものが確認されていますが、 不思議なことに遺体が発見されることは一度もないといいます。
一人で遺書も残さず鰻池に入水してしまえば、自殺があったことすら誰も気付かないとうわさされます。
まさに富士山の樹海的なミステリースポットです。
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