鵜口観音は、相良三十三観音霊場の5番札所となります。
鵜口あたりは、球磨川を水路として利用していた時代の交通の要衝でした。
そのためか、交通安全や水難防止にご利益がある観音さまとして知られています。
物流拠点を見守る観音さま
相良三十三観音めぐりがはじまったのは、江戸時代の前期です。
鵜口の対岸の集落を渡(わたり)といいます。
当時、人吉から鵜口観音堂へ行くには、渡から船を渡していました。
球磨川は物流にも利用されています。
くま川下りの前身は、この物資運搬用の船です。
渡にくま川下りの発着船場があるのもその名残です。
このあたりで、北からは小川が球磨川と合流し、南からは鵜川が球磨川へ流れ込んでいます。
鵜口や渡は、物資流通の中継点として重要な役割を果たしていました。
ご本尊
鵜口観音堂は、球磨川を見渡す場所にあります。
球磨川を行き交う物流船や渡し船の、交通安全と水難防止を願ったものといわれています。
ご本尊は十一面観音立像です。
両脇には毘沙門天像と不動明王が収蔵されます。
相良三十三観音霊場のなかでは、最も西に位置する札所です。
また、球磨村では唯一の札所となります。
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