山川製塩工場は、かつて鹿児島県山川町(現在の指宿市)にあった製塩工場です。

工場跡は観光用に整備されていて、残された塩田と泉源を見ることができます。
伏目温泉

伏目温泉は、別名山川温泉ともよばれる伏目海岸沿いに広がる温泉地です。

旧山川町の観光の目玉施設で、現在は指宿市の施設となっています。

山川砂むし温泉やヘルシーランド露天風呂たまて箱温泉、温泉プールなどが位置しています。

古くから温泉があることは知られていましたが、本格的な開発がはじまったのは1943年(昭和18年)です。

このとき、伏目海岸の温泉熱を利用した製塩工場が建設されました。

1964年(昭和38年)に、温泉製塩が禁止されたため廃業しています。

製塩業の奨励

わが国には岩塩はほとんどなく、海水から塩を造っていました。

製塩には広い塩田と干満差のある海岸、日差しが強く降雨がないなど気象条件が必要です。

明治時代には、製造から販売までを政府が管理する専売制となりました。

昭和時代になると需要の増加に対し、自給率は低く輸入に頼っていました。

そこに先の大戦が勃発、輸入がストップし、塩が足りなくなっています。

そこで1942年(昭和17年)、政府は自家製塩制度を認める政策に舵を切ります。

これを受けてできたのが、山川製塩工場です。

塩田

日本の伝統的製塩技術は進歩してきました。

しかし塩田による製法は、気象条件に影響を受け、多大な労力と広い土地が必要な点は変わりませんでした。

やがて、イオン交換膜と電力そして真空式熱発管による製法に置き換えられていきます。

その結果、商業利用されていた日本の塩田は全廃となりました。

現在、各地でみられる塩田は、観光施設や教有施設として復元されたものです。

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