油すましどんの墓というのは、熊本県天草市にある史跡です。
現地を訪れると、妖怪がいつ現われても何もおかしくない雰囲気に包まれます。
油すましどんとは?
油すましどんというのは、熊本県天草市に伝わる伝説の妖怪です。
口頭で伝承されていたものを、1932年(昭和7年)に天草中学校の教師をしていた民俗学者・浜田隆一さんが、天草島民俗誌で発表しています。
さらに、日本の民俗学者・柳田国男さんが妖怪として紹介したことで、全国的に知られています。
油すましどんの伝説
天草上島の栖本町と有明町を結ぶ峠を、草積峠といいます。
老婆が孫の手を引いて草積峠を歩いているときのことです。
「昔しゃなー こがんとこれー 油すましどんの出よらいたちゅわい」
(「昔はね こんなところに 油すましどんが出ていたそうだよ」)
と話していました。
すると「いまでもでるぞー」といって、油すましどんが現れたそうです。
その実態は?
油すましどんは、水木しげるさんの「ゲゲゲの鬼太郎」で登場するため、みのを着た頭の大きな老人の姿がイメージされます。
博識で妖怪の中でも重鎮とされています。
そもそも「油すまし」というのは、天草地方の方言で油をしぼるという意味です。
天草地方では、ツバキやサザンカの実を搾ったカタシ油が作られています。
油造りの名人が草積峠で行方不明になって以来、現れるようになったとか…
現着
油すましどんの墓へ、さっそく見学に行ってみました。
駐車場から山道へ入ると、早くも妖怪が出そうです。
お墓には3体の石造がありますが、どういうわけか2体には首がありません。
なんでも、40年ほど前に道路拡張工事で移築したさいなくなってしまったとか…
そもそも、お墓は草積峠で亡くなったといわれる、油造り名人を供養するために建てられたものといわれます。
妖怪の墓ではなくて、名人が亡くなった後、妖怪になったのですから、今でもでるはずです。
場所 熊本県天草市栖本町河内
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