油すましどん

油すましどんの墓 天草の草積峠に今も現れる油すまし名人

油すましどんの墓というのは、熊本県天草市にある史跡です。

油すましどん

現地を訪れると、妖怪がいつ現われても何もおかしくない雰囲気に包まれます。

油すましどんとは?

熊本県道34号線 油すましどんの墓 駐車場

油すましどんというのは、熊本県天草市に伝わる伝説の妖怪です。

熊本県道34号線 油すましどんの墓 案内標柱

口頭で伝承されていたものを、1932年(昭和7年)に天草中学校の教師をしていた民俗学者・浜田隆一さんが、天草島民俗誌で発表しています。

熊本県道34号線 油すましどん 案内板

さらに、日本の民俗学者・柳田国男さんが妖怪として紹介したことで、全国的に知られています。

熊本県道34号線 油すましどん 説明板

油すましどんの伝説

油すましどん駐車場 案内看板

天草上島の栖本町と有明町を結ぶ峠を、草積峠といいます。

油すましどん駐車場

老婆が孫の手を引いて草積峠を歩いているときのことです。

油すましどんへ向かう山道

「昔しゃなー こがんとこれー 油すましどんの出よらいたちゅわい」

(「昔はね こんなところに 油すましどんが出ていたそうだよ」)

油すましどん 入口

と話していました。

油すましどん 入口

すると「いまでもでるぞー」といって、油すましどんが現れたそうです。

油すましどん

その実態は?

油すましどんは、水木しげるさんの「ゲゲゲの鬼太郎」で登場するため、みのを着た頭の大きな老人の姿がイメージされます。

油すましどんの墓

博識で妖怪の中でも重鎮とされています。

油すましどん 石造

そもそも「油すまし」というのは、天草地方の方言で油をしぼるという意味です。

ゆすましの里

天草地方では、ツバキやサザンカの実を搾ったカタシ油が作られています。

油すましどん 現地説明板

油造りの名人が草積峠で行方不明になって以来、現れるようになったとか…

油すましどん 現地説明板

現着

油すましどんのベンチ

油すましどんの墓へ、さっそく見学に行ってみました。

油すましどん 全景

駐車場から山道へ入ると、早くも妖怪が出そうです。

油すましどん 近景

お墓には3体の石造がありますが、どういうわけか2体には首がありません。

3体のうち2体の首がない油すましどん

なんでも、40年ほど前に道路拡張工事で移築したさいなくなってしまったとか…

油すましどん

そもそも、お墓は草積峠で亡くなったといわれる、油造り名人を供養するために建てられたものといわれます。

油すまし伝説発祥地

妖怪の墓ではなくて、名人が亡くなった後、妖怪になったのですから、今でもでるはずです。

油すましどんから見た栖本の集落

場所 熊本県天草市栖本町河内

油すましどんへ行くとき渡る河内川にかかる中の門橋

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