サボテンハーブ園は、かつて宮崎県日南市にあった植物園です。
宮崎市から日南市のちょうど中間に位置し、永い間日南海岸の名所として親しまれていました。
日南海岸
宮崎県屈指のドライブコース、日南海岸を南下すると、鵜戸神宮や都井岬などの観光名所が目白押しです。
新婚旅行ブームのころは日本のハワイとよばれ、九州本土でも珍しい熱帯性の植物が自生する温暖な地域です。
サボテンハーブ園は、かつて日南海岸を代表する観光名所でした。
PhotoMiyazaki-宮崎観光写真 サボテン・ハーブ園
レストランにあったサボテンステーキや、鐘を鳴らすと願い事が叶うといわれたスカーレットベルなど宮崎名物も生んでいます。
小弥太郎峠サボテン公園
サボテンハーブ園は、1937年(昭和12年)に日南海岸の小弥太郎峠にウチワサボテンを植え、入場無料のサボテン公園としたのがはじまりです。
1951年(昭和26年)に、現在地に移転しています。
移転後しばらくは、サボテン公園のあった場所を継ぎ、小弥太郎峠サボテン公園と称していました。
新婚旅行ブームで集客
その後、サボテン公園には、ハネムーンブームで多くの観光客が訪れるようになります。
1990年代までは、サンメッセ日南がなかったため、日南海岸有数の観光名所として君臨することになります。
1995年(平成7年)には、ハーブ温室が完成し、サボテンハーブ園と名称が変わっています。
衰退
しかし、国道220号線に日南富士(ふと)トンネルができると、前面道路は旧道となります。
通行量が激減したところに、2004年(平成16年)に台風が襲い、大被害を受けました。
さらに、経営母体であった宮崎交通が、産業再生機構の支援を受けるタイミングと重なってしまいます。
ついには、2005年(平成17年)閉園となっています。
サボテンハープは売却が決定し、地場の米良電機産業の所有となりました。
PhotoMiyazaki-宮崎観光写真 サボテン・ハーブ園
しかし、再開されることはなく現在に至っています。
ちなみに、1975年(昭和50年)のサボテン公園の航空写真です。
こっちが、2020年(令和2年)のサボテンハーブ園跡の航空写真です。
PhotoMiyazaki-宮崎観光写真 サボテン・ハーブ園
当時の写真と比較すると、サボテンが雑草に変わってしまったのがわかります。
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