早水神社は、 宮崎県都城市の早水公園にある神社です。
池の水で顔を洗うと、美人になると伝わります。
早水公園
早水公園は、早水神社の周辺を整備して造られた都市公園です。
1日8,000㎡の湧水からなる、早水池にはアヤメやショウブ・アジサイなどが植えられています。
それもそのはず、前身は1957年(昭和32年)に整備された、都城市立植物園です。
1969年 (昭和44年)から、都市公園として整備されることになります。
現在はスポーツ施設や文化施設も集まる大きな公園です。
早水池は6つの池から成ります。
鷹取池 |
釣鐘池 |
髪長媛池 |
花の小池 |
紫陽花の池 |
紫の池 |
ご祭神
主祭神は3柱です。
- 髪長媛
- 応神天皇
- 諸県君牛諸井(もろかたのきみうしのもろい)
髪長媛は、諸県君牛諸井 (もろかたのきみうしのもろい)の娘です。
応神天皇に召されますが、あまりにも美人であったため、皇太子の仁徳天皇の皇太子妃となっています。
相殿として3柱がまつられます。
- 神功皇后
- 玉依姫
- 早水天神
由緒
創建年代は不明です。
都城島津氏の崇敬が厚く、1543年に北郷忠相が再興しています。
ご祭神である髪長媛の出生地といわれ、早水池の水を産湯に使ったと伝わります。
髪長媛は、早水池の水を飲んだり、顔を洗ったりして育ちました。
そのため池の水で顔を洗うと美人になるといわれています。
また、縁結びのご利益があるとされています。
早水観音堂
参道の早水観音堂には、観世菩薩像が安置され、地元では「おなごかんさぁ」とよばれています。
早水神社の神護寺であった「神宮寺」にまつわる仏像は、廃仏毀釈で焼却されてしまいました。
のちに住民の強い要望で、再建されたものです。
縁結びと安産にご利益があり、早水神社の髪長姫といっしょにお詣りすると、その効果がアップします。
沖水古墳
参道途中にある小山は、沖水古墳です。
大正時代までは、周辺にたくさんの古墳がありましたが、開発によってそのほとんどがなくなっています。
唯一残されたのが、 沖水古墳です。
詳しいことはわかっていませんが、墳丘からは中国製の鏡や玉石が発掘されています。
池之大王神社
髪長姫池橋の近くにある池之大王神社は、髪長姫池の水源にまつられたものです。
- 武御雷之男命(たけみかずちのおのみこと)
- 楠河内乃神(楠木正成公)
- 精矛厳健雄命(くわしほこいずたけおのみこと・島津義弘公)
3武神がまつられることから、スポーツや勝負事にご利益があるとされます。
早水馬頭神社
本殿と右となりの石祠は、早水馬頭神社、ご祭神は保食神(うけもちのかみ)です。
本来は早水村の馬頭観音だったのですが、廃仏毀釈を経て仏教的な装飾はなくなっています。
牛馬の神さまとして知られ、2000年(平成12年)の口蹄疫発生時は、県内外から多数の参拝がありました。
まとめ
早水公園を散歩中の方が、 「早水には昭和時代にはたくさんの釣り堀があった」 といわれていました。
パチンコなどの娯楽施設ができたことで、 釣り堀がなくなったとのことです。
また、道路整備が進んだことで、釣り好きな人は海へ行くようになったとも・・・。
早水の池周辺は、時代を追って変わっていきましたが、今も昔も清水がわき続けています。
目的は変わったとしても、人は水のあるところに集まるのでしょう。
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