じめさあというのは持明院さま、つまり島津亀寿姫のことです。
通常の読み方なら「じみょういんさま」なのですが、鹿児島弁で発音すると「じめさあ」です。
持明院さま
持明院さまは、領民から亀寿姫の別名で親しまれていました。
ご結婚後は御上(おかみ)さまとよばれるようになっています。
島津氏第16代当主、義久公の三女となります。
この時代、島津氏は九州の大半を手中に収めていました。
ところが、豊臣秀吉の九州征伐を受け降伏し、本領つまり薩摩・大隅に戻っています。
この後しばらく、持明院さまは京都に住むことになります。
豊臣政権にとって、持明院さまは島津氏の再起を防ぐ人質でした。
薩摩に帰られた後は、領内各地を所領されることになります。
鹿児島県立美術館の庭園
鹿児島県立美術館の一角に、じめさあの石像があります。
美術館の庭園には、西洋風の銅像が並んでいます。
その雰囲気を崩さないように、ひっそりと和風の石像がたたずんでいます。
実は、じめさあは、1929年(昭和4年)に発見されたものです。
島津家の祈願所であった大乗院が廃寺となった後、当時鹿児島市役所の敷地だったこの場所に移されたものと考えられています。
化粧直し
1929年(昭和4年)以来、じめさあには、毎年命日である10月5日に化粧直しが行われています。
化粧には、実際の化粧品が使われています。
しかもその時々の、流行最先端メイクに化粧直しされます。
実のところ、持明院さまはそれほどお美しいわけではなかったといわれています。
しかし、その人柄から人々に慕われており、その内面性の美が語り継がれています。
持明院さまは、仙厳園にある鶴嶺神社(つるがねじんじゃ)に祀られています。
鶴嶺神社は、美にご利益があるとされ、心身ともに美しくなれるといわれています。
関連記事
【関連記事】鶴嶺神社 外面の美はもちろん内面の美にまつわるご利益のある神社
【関連記事】仙厳園 かつて磯庭園とよばれロープウェイがあった島津氏の別庭
【関連記事】徳重神社 鹿児島の人たちが妙円寺詣りで目指す目的地