清水(きよみず)観音は、相良三十三観音霊場の1番札所です。
観音堂は願成寺の入り口になります。
人吉城内の観音さま
清水観音は、1603年に京都の清水寺から勧請された観音さまです。
清水寺から勧請は、人吉藩第20代藩主相良長毎(ながつね)の立願でした。
名称もそのまま、清水の名が使われ「清水観音」となりました。
現在地に移されたのは、1896年(明治29年)のことです。
それまでは、人吉城内に安置されていました。
1番札所となっているのは、人吉城の観音さまだったからです。
願成寺へ移された観音さま
願成寺は相良家の菩薩寺です。
初代から37代まで、歴代の藩主のお墓があるお寺です。
1233年、相良家初代長頼(ながより)により創建されました。
風水的にみると、人吉の丑寅(北東)の方角にあたり、鬼門の護りとして建てられたものです。
1862年、人吉は大火に見舞われました。
鍛冶屋町で出火したこの火災を「寅助火事」とよんでいます。
球磨川を越えて飛び火し、人吉城は大打撃を受けました。
永年の相良氏の治世下において、未曽有の大災害でした。
しかし、死者はおらず、負傷者も3名に止まったという記録が残っています。
ご本尊
ご本尊は千手観音立像となります。
清水観音は、京都の清水寺と同じ功徳があるとされています。
特に、妊婦さんやお乳の出を願う人がお参りしています。
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