国造神社(こくぞうじんじゃ)は、熊本県阿蘇市にある神社です。
阿蘇神社を本宮とすると、阿蘇神社の北にあるので北宮ともよばれています。
由緒
西暦88年に創建したとされ、延喜式神名帳に名を連ねる式内社です。
農業・五穀豊穣の神さまとして知られます。
阿蘇神社が、火山神の健磐龍命(たけいわたつのみこと)を前面に押出す一方、国造神社は農業神である阿蘇国造大神を主祭神としています。
また、開運招福・金運・浄化にご利益があるとされています。
ご祭神
阿蘇地方のルーツに由来する4柱をまつります。
速瓶玉命(はやみかたまのみこと)
一ノ宮にまつられるのは、速瓶玉命です。
阿蘇大神の神号をもつ、健磐龍命(たけいわたつのみこと)の第一皇子です。
阿蘇大神とともに阿蘇開拓をされ、阿蘇国造大神とよばれています。
雨宮媛命(あめみやひめのみこと)
二ノ宮にまつられるのは、雨宮媛命です。
速瓶玉命のお后となります。
高橋神(たかはしのかみ)
三ノ宮にまつられるのは、高橋神です。
速瓶玉命の第二皇子です。
火宮神(ひのみやのかみ)
四ノ宮にまつられるのは、火宮神です。
速瓶玉命の第三皇子です。
手野の大杉
手野の大杉というのは、速瓶玉命が手植えされたというご神木のスギで、本来は夫婦杉でした。
男杉は江戸時代の火災で枯れてしまい、女杉だけが残されていました。
ところが女杉も、1991年 (平成3年) の台風19号で折れたのが原因で枯れています。
境内に展示されているのは、女杉の幹と枝です。
なお駐車場にある「名水の里・阿蘇パビリオン」の中でも、一部を見ることができます。
鯰社(なまずしゃ)
開拓前の阿蘇一帯には、カルデラ湖がありました。
健磐龍命が開拓にさいし湖の水をぬくと、湖の主である鯰(なまず)が現われました。
健磐龍命がどこかへ引っ越すように頼むと、鯰はがっかりしてどこかへ去っていきました。
鯰への感謝から社にまつり、この地域で鯰を捕ることを禁じました。
鯰社は、皮膚病にご利益があるといわれています。
夫婦石
夫婦石(めおといし)というのは、国造神社の入口にある男女一対の大石です。
昔から夫婦杉だった手野の大杉とあわせて、不婦円満和合を祈願し崇拝されています。
神事の道中における重要ポイントでもあり、地元の方からも大事にされています。
場所 熊本県阿蘇市一の宮手野2110
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