メリ穴というのは、熊本市南区城南町にある洞穴です。
水神が宿る古代からの聖地で、一帯には古代遺跡が残されています。
水の湧く洞穴
周辺は阿蘇山の大噴火の際、火砕流が堆積した地域です。
メリ穴は長い年月の間に、湧き水が浸食し、自然にできた洞穴です。
現在も、奥の天井からは水が湧き出ています。
その後、一帯には古代から人が住み、近くではおおくの遺跡が見つかっています。
塚原(つかわら)古墳は、1972年(昭和47年)、九州自動車道の掘削工事でみつかった遺跡です。
計画では山を切り開き高速道路を通す予定でしたが、保存のため遺跡直下にトンネルがつくられています。
古代からメリ穴には水神をまつり、「参り穴」といわれていたことから、「メリ穴」とよばれるようになったと考えられています。
メリ穴の伝説
夕方、ニワトリをメリ穴に入れると、翌朝宇土の轟水源で鳴いた
メリ穴に伝わる有名な伝説です。
轟水源というのは、メリ穴から10km西にある宇土市の水源です。
穴が奥でつながっているのか? それとも異空間を移動したのか?
謎は深まるばかりです。
立入禁止
2016年(平成28年)の熊本地震までは、メリ穴に入ることができました。
しかし、現在は崩落の危険性があるため、立ち入り禁止になっています。
メリ穴の奥の方は、昼でも真っ暗です。
もし入ることができたとしても照明器具なしに、奥へ入るのはムリでしょう。
尾窪横穴墓群
メリ穴近くの丘の斜面には、たくさんの横穴がみられます。
こちらは尾窪横穴墓群といい、人工的に掘られた古代人のお墓です。
古墳時代から奈良時代にかけての遺跡となります。
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