山小屋会館というのは、かつて熊本県荒尾市にあった宴会場です。
廃墟マニアの間ではけっこう有名な物件となります。
レストラン&結婚式場
山小屋会館ときけば、小さな山小屋風の飲食店をイメージします。
しかし現地に行くと、かなり大きな建物が残されています。
ネット上には、1階がレストランで、2階が大宴会場になっていたという記述がみられます。
しかも往時には大人気店で、相撲部屋出身の役員がいたため、大相撲九州場所の際には、横綱輪島関一行などが必ず訪れていたといいます。
さらに2階には300名が収容でき、 結婚式場として利用されていたといわれています。
周辺にある建物も、山小屋会館の施設で、ちょっとした飲食街を形成していました。
道向かいにあった、パーラー太平洋というパチンコ店 (解体済)も山小屋会館の一事業だったといいます。
バブル景気の跡
国道208号線は三井三池炭鉱でにぎわった、大牟田市や荒尾市から玉名市を経て熊本市へ向かう、 熊本県北の動脈です。
山小屋会館は、’80年代から’90年代にかけてのバブル景気の頃、多角化を進めていたといわれています。
バブル景気が終わると、 一気に経済がしぼみ多くの企業が減収に転じたのは、全国どこの地域でも見られた現象です。
さらに資産価値は下がるだけでなく、流動性も失ったため、長らく売買も解体できない建物が見られました。
山小屋会館もバブル景気による積極投資の跡であり、今なお当時の建物が残るレア物件です。
荒尾市の人口推移
荒尾市は三井三池炭鉱を抱える産業都市で、1950年代の人口は7万人足らずでした。
しかし、エネルギー革命による組合争議や、三川坑の爆発事故などを経て従業者は減っています。
炭鉱の縮小に比例し、荒尾市の人口もバブル景気に入る 1980年代に減少に転じています。
1997年 (平成9年)に三井三池炭鉱が閉山すると、2000年(平成12年)以降、人口減少ペースが加速しています。
山小屋会館が閉店したのも2000年(平成12年) 前後といわれています。
ちなみに現在の荒尾市の人口は、約5万人です。
場所 熊本県荒尾市野原 710
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