野首谷というのは、鹿児島市西別府町にある地名です。
その地名から、一説では昔、処刑場があったというウワサもありますが、真偽を検証してみました。
地名から連想したウワサ
野首谷があるのは、鹿児島県道24号鹿児島東市来線沿いです。
野首谷という地名から、物騒なことを連想する人がいたようです。
野首谷に関し、ネット上でささやかれるウワサは以下のようなものです。
昔、処刑場があった
密入国者をさらし首にしていた
「野に首をさらす谷」 と直に読んで、解釈したのでしょう。
いつしか、 心霊スポットとささやかれるようになります。
心霊スポットとしてのウワサ
心霊スポットとなり派生したのか、次のようなウワサがあります。
夜、車で通るとバックミラーに男性の霊が映る
近くの古いお墓では、女性の霊や動物の霊が現われる
実際はどうなのか?
実は、野首谷周辺に処刑場があったとか、 さらし首にしていたという史実は確認できません。
そもそも野首というのは、 野の先端が台地や山地などで、首のように出っ張った場所を意味します。
特に九州南部では、山の尾根を利用して山城を築いていました。
尾根が狭くなってくびれている部分を、野首とよぶケースもあったようです。
野首谷はその逆で、野原がくびれて谷になっています。
航空写真で確認しても地名の由来は地形であると考えるのが妥当でしょう。
まとめ
先入観というのは怖いもので、この場所が心霊スポットと考えると、 実際にはないものが見えたりします。
霊の目撃情報は、バックミラーに移る光の反射だったのかもしれませんし、木の枝が風で揺れたのを錯覚したのかもしれません。
しかし、歴史的な経緯が時に埋もれた可能性も残されます。
いずれにしても、特徴的な地名はその場所の由来を示しますし、歴史的な想像を掻き立てます。
場所 鹿児島県鹿児島市西別府町
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