野崎港は、かつて熊本県宇城市三角町にあった旅客船専用港で、渡し船が三角東港との間を結んでいました。
野崎渡し船は、戸馳大橋完成後も永らく営業を続けていた、三角町営交通船です。
テレビCMの渡し船
野崎港~三角東港航路は、戸馳島と宇土半島を結ぶ海上交通路でした。
主に地元の人が利用する、単なる渡し船といってしまえばそれまでです。
ところが、テレビCMの放映により知名度が上がっています。
しかも、渡し船そのもののCMではありません。
大分麦焼二階堂のテレビ CM「空に憧れた日々」篇でロケ地となったものです。
二階堂酒造 CM 「空に憧れた日々」 編
戸馳大橋
戸馳島は、位置的にはほぼ宇土半島なのですが、本土とはモタレノ瀬戸で隔てられた離島です。
戸馳大橋が架かるまでは、宇土半島の間を3本の航路で結んでいました。
初代戸馳大橋は、1973年(昭和48年)に竣工しています。
オレンジ色の上部工がアーチを描く、印象的な橋でした。
2010年代になると、老朽化し 14t以上の通行制限が設けられていました。
現在の戸地大橋は、2019年(平成31年)に供用を開始した2代目です。
初代の戸馳大橋は、その後撤去されています。
博洋丸
博洋丸は、三角町営交通船として、重要な役割を担っていました。
1962年(昭和37年)には、戸馳中学校は三角中学校へ統合されています。
渡し船は、それまでの高校生に加え、中学生の重要な通学手段となります。
しかし、戸馳大橋の開通により、状況は変わっていきます。
本土への交通手段は、渡し舟から戸馳大橋に変化していきました。
最後まで渡し船の営業を続けたのが、野崎港~三角東港航路でした。
しかし、自家用車も1家に1台から、1人1台の時代に変わっていきました。
渡し船は乗船客が減少したことから、2014年(平成16年)をもって、運行を終了しています。
場所 熊本県宇城市三角町戸馳
関連記事
【関連記事】三角西港 明治のレトロ港は世界遺産で文化財の宝庫
【関連記事】長部田海床路 海に浮いては沈む干潟独特の漁業用道路