三角(みすみ)東港は、熊本県宇城市三角町にある港です。

三角西港が旧港であるのに対し三角東港は新港であり、単に三角港という場合、三角東港を指します。
海のピラミッド

三角東港に着くとまず目に入るのが、大きな巻き貝のような建物です。

通称「海のピラミッド」とよばれ、三角東港だけでなく三角町のランドマーク的な存在です。

正式には、三角港フェリーターミナルといいます。

まだ、三角島原フェリーが健在だったころ、その待合所でした。

1990年(平成2年)ごろからある建物なので、目にしたことがある人も多いと思います。

周辺は、2016年(平成28年)に三角東港広場として整備されています。

現在、海のピラミッドは三角東港広場の中心施設です。

機能的にも、三角東港、三角駅、産交バスのりばのターミナルとなっています。

ウキピアノ

海のピラミッドの中央には、ピアノが置かれています。
上の目的に賛同いただける方は、だれでもご自由にお弾きいただけます。

ただし利用できるのは、8時30分から17時までとなっています。

宇城市では、海のピラミッドのほか、合計3か所にストリートピアノを設置しています。

3ヶ所とも「ウキピアノ」という名前です。
設置場所 | 住所 | 利用可能時間 | 利用できない日 |
ウイングまつばせ | 宇城市松橋町大野85 | 9:00~22:00 | 月曜日 |
イオンモール宇城 | 宇城市小川町河江1-1 | 平日 10:00~17:30 土日祝 10:00~20:00 | 木曜日 |
ただし、イベントやコロナウイルスまんえん防止のため使えないこともあります。
イオンモール宇城のウキピアノには、あのよみぃさんも弾きに来ています。

【公式】宇城市 市内3カ所にストリートピアノ『ウキピアノ』を設置しました♪
三角町物産館 ラ・ガール

海のピラミッドの横に、三角町物産館があります。

ラ・ガールというのは、英語ではなくフランス語です。

直訳すると駅なのですが、三角東港が交通の要衝なのでついた名前です。

観光客はもちろん、地元の人も普段から買い物に来ています。

熊本県の海の玄関口

三角は天草への玄関口で、昔から港はあったのですが、近代的港湾となったのは明治時代です。

風波の少ないおだやかな天然の良港で、九州西海航路の要点にあったため、国家事業として三角西港ができあがりました。

西港周辺には、税関・郡役所などの公共施設が次々に設置され、海運・商業活動が盛んになりました。
熊本県下から東京・大阪へ送る米は全て三角西港から積みだされたほど、熊本県最大の海の玄関口でした。

ところが、三角西港は山が海に迫っていて、拡張性に乏しい地形にありました。

増加する貨物に対応するため、三角東港(新港)が整備されます。

1899年(明治32年)に開通した国鉄三角線の終点、三角駅は三角東港の正面に建てられます。

そのため、西港の機能は東港へ次第に移行しました。
消えた航路

その後も機能を充実させた三角東港は、昭和中期までは熊本県の主要港として栄えました。

潮目が変わったのは、1966年(昭和41年)の天草五橋開通です。

天草への貨物・客船航路は次第に廃止されていくことになります。

1990年代に入ると、八代港整備により貨物量もさらに減少しています。

1964年(昭和39年)に就航した三角島原フェリーは、最盛期には年間100万人が利用していました。

1993年(平成5年)には熊本港が開港し、島原航路が競合するようになります。

三角島原フェリーは旅客量が減少し、ついに2006年(平成18年)に廃止されています。

現在の旅客航路

海上は、往時の三角東港のにぎわいはなくなっていますが、港湾機能が失われたわけではありません。

航路が消えた三角港発天草行きも、御所浦港行きの定期旅客線は健在です。

三角港発のスーパーイーグルは、御所浦港を経由し棚底港(天草市倉岳町)を結びます。

前島港(上天草市松島)とを結ぶ「天草宝島ライン」は、ただの海上公共交通機関ではありません。

天草の絶景観光名所を巡る、観光クルーズ船です。

もちろん、貨物船も入港しています。

場所 熊本県宇城市三角町三角浦
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